fuji Ver. ＊君と ページ41
小学5年生の春、隣の街で連続殺人があった。しかも殺したのは俺と同い年の男の子。ニュースで見たその情報はかなり俺の頭に残っている。
高校生になった今でも。
「キヨー、フジー」
キヨと無駄話していると向こうから歩み寄ってくるヒラとこーすけ。この二人は小学生からの幼馴染みだという。2人とも高校に入ってから仲良くなった。
共通点を上げるとするならば、ゲームがすきだということ。唯一ヒラは中学生のときはあまりやらなかったみたいで、wiiとかはあんまりやらないみたいだった。
「昼飯、どこで食べる？」
「屋上でいいべ。」
…ヒラと屋上で購買に行った2人が来るのを待つ時、俺はなんとなく
「ヒラは、5年前の連続殺人事件覚えてる？」
「え？」
「ほら、俺らとちょうど同い年の男の子がふらりと何人もの人を殺した話。」
「……」
まあ、覚えてないか。
「覚えてるんだ、そのこと。なんでだろうね、関係ないのに」
「……怖い？」
「え、今？いや別に」
「俺は怖い」
ヒラは、ゆっくり顔を上げた。
「ごめん。隠し通そうとしてる自分が怖い。」
ガチャっと、屋上に入る扉が開く。そこには戸惑ったような顔のこーすけと不思議そうにしているキヨが立っていた。
「ね、聞いてくれる？キヨ、フジ」
＊
ああ、そうか。
だから俺はその事件のことを覚えてたんだ。
「フジが覚えてくれててよかった。隠したまんまでこれからも一緒にいるつもりだった。」
「…」
こーすけとキヨは黙ったまま。
「……ごめん。」
沈黙が続く中、小さく掠れた声を出したのはキヨだった。
「俺、なんも知らなかった。ヒラのこと、大切な友達だって思ってたくせに、なんも知らなかった。」
「キヨ、」
「ごめん」
目から溢れさせた涙は初めての彼の謝罪だった。なんでゴメンなのか分からないけど、俺の目からも涙が流れる。ほんとに、なんでなんだよ。
「なんで泣くの、なんで謝るの…なんで、大切な友達だって言ってくれるの」
彼の目にも涙が溜まっていた
「なぁ、ヒラ。俺らそんなんで友達やめねぇよ。だって、ヒラが背負うには重すぎるだろそれ。だから」
キヨはいつもより優しく笑う。
「俺らにも背負わせろよ」
この時、キヨは俺らと言った。
キヨは何倍も分かってる。ヒラの気持ちも、俺の気持ちも、こーすけがあえて全部背負おうとしていた気持ちも。
だから、まだこの4人で笑ってる。
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狩人ノ影*(プロフ) - 桜田さん» ありがとうございます！ひらの人気は衰えないですね。嬉しいお言葉もったいない限りです。これからも是非よろしくお願いします(-ω-) (2016年9月7日 20時) (
レス) id: 8bbda9113b (このIDを非表示/違反報告)
桜田(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます！ヒラの短編よかったです！キヨの好意が垣間見える感じが素敵でした（；＿；） (2016年9月5日 19時) (レス) id: 20ab6aeafe (このIDを非表示/違反報告)
狩人ノ影*(プロフ) - 龍谷さん» ありがとうございます!!リクエスト承りました(^ω^ )お時間を頂きますが、必ず上げますので気長にお待ちください。 (2015年12月26日 21時) (レス) id: 8bbda9113b (このIDを非表示/違反報告)
狩人ノ影*(プロフ) - おにぎりさん» ありがとうございます!!とても嬉しいお言葉勿体無い限りです。これからもぼちぼち更新致しますのでよろしくお願いします！ (2015年12月26日 21時) (レス) id: 8bbda9113b (このIDを非表示/違反報告)
狩人ノ影*(プロフ) - るななんさん» 解説ありがとうございます!!私の説明より遥かにお上手で、お手間をかけてしまい申し訳ありませんm(__)m読んで下さってありがとうございました！ (2015年12月26日 21時) (レス) id: 8bbda9113b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩人ノ影* | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tomoka0315/
作成日時：2015年4月23日 21時
