tuwahasu *構って ページ1
「はすくん、はすくん」
私が呼びかけても彼はゲームが写っている画面に夢中だ。
今日は久しぶりの休日だというのに。
...まぁ慣れたけど。
「...どした?」
「ううん。私今日友達の家で女子会だから...留守番しててね」
「分かった。いってらっしゃい」
それでも彼の目には、「youwin」という文字だけが刻まれている。
もういいよ。私は少しふて腐れて玄関から出て行った。
女子会ではひたすら愚痴ばかり言った。
友達はいいなーとか羨ましいとか言うけど正直本当に辛い。
それでも友達は私を応援してくれた。
「彼氏とは喧嘩がつきものだ」とも言われて。
なんだかすっきりして、普段はあまり呑まないお酒をひたすら飲んだ。
酔っぱらったのは、言うまでもない。
「ほらーA。起きて。もう1時だよ、帰らないと彼氏君心配するから」
友達に肩を揺すられ私は眠い目を擦りながら起きあがった。
ピンポーン、とちょうどその時にインターホンがなったのだ。
遠くから友達の声が聞こえて二人分の足音が近づいてきた。
「A、帰るぞ」
「....はすくん...」
友達に送り出され、私はふらつく足を前に進める。
それに気付いたのかはすくんは私の前で屈んで「ん」といった。
仕方なくおぶられて、無言のまま土手を歩く。
「...ここまで遅くなるなんて思ってなかった」
「別にいーじゃん」
「オレだって心配するよ。Aに何かあったんじゃないかってさ」
そりゃ、悪かったっておもってるけど...
「ねぇはすくん、ちゅーしてよ」
「お前、酒臭いと思ったら超酒呑んだろ。ったく...」
「ちゅーしてよ」
「帰ったらね」
そんなことで引き下がるわけにはいかない。
「いーまー!!」
「あのなぁ...」
「...どーせはすくんは私よりもゲームの方が好きなんでしょ!もういいよ!!」
つい、本音を言ってしまった。
言ってみて気付いたけど、私相当子供っぽい。
はすくんは少しの間黙り込んで、足を止めた。
軽く私の方へ振り返る。
「...今したら、ここで襲うけど。」
「...」
するとはすくんは口角を少しあげて私を担ぎなおした。
「良い子、良い子」
子供扱いは止めて欲しいけど、でも。
少しだけ嬉しかった自分が居る。
(本当は気を引くためだって、分かってるのかなこの子)
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狩人ノ影*(プロフ) - 桜田さん» ありがとうございます!ひらの人気は衰えないですね。嬉しいお言葉もったいない限りです。これからも是非よろしくお願いします(-ω-) (2016年9月7日 20時) (レス) id: 8bbda9113b (このIDを非表示/違反報告)
桜田(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます!ヒラの短編よかったです!キヨの好意が垣間見える感じが素敵でした(;_;) (2016年9月5日 19時) (レス) id: 20ab6aeafe (このIDを非表示/違反報告)
狩人ノ影*(プロフ) - 龍谷さん» ありがとうございます!!リクエスト承りました(^ω^ )お時間を頂きますが、必ず上げますので気長にお待ちください。 (2015年12月26日 21時) (レス) id: 8bbda9113b (このIDを非表示/違反報告)
狩人ノ影*(プロフ) - おにぎりさん» ありがとうございます!!とても嬉しいお言葉勿体無い限りです。これからもぼちぼち更新致しますのでよろしくお願いします! (2015年12月26日 21時) (レス) id: 8bbda9113b (このIDを非表示/違反報告)
狩人ノ影*(プロフ) - るななんさん» 解説ありがとうございます!!私の説明より遥かにお上手で、お手間をかけてしまい申し訳ありませんm(__)m読んで下さってありがとうございました! (2015年12月26日 21時) (レス) id: 8bbda9113b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:狩人ノ影* | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tomoka0315/
作成日時:2015年4月23日 21時