平和主義の殺人鬼【ツイステ】【男主】

9話 ページ11

Aside





テーブルにあったナイフを素早く取り、仰向けに倒れているけーくん先輩に馬乗りして、首にあてがう。





『けーくん先輩！降参してください！』



入学式初日に、血を浴びるのは勘弁！



僕はあくまで平和に解決したい！


平和主義者だからね！







「お、おい！？アイツまじ…？」





「寮長呼んだ方がいーんじゃねぇの？」



周りがざわざわとしだす。




ｹｲﾄ「待って待って！？降参！！降参するから！！」




落ち着いて〜！！？とけーくん先輩が両手を上にあげる。




ﾘﾄﾞﾙ「A・ラビレス！！今すぐそのナイフをしまいたまえ！！」



寮長さんがマジカルペンを構えて言った。




『…あ、ごめんなさい…。絞められると思って、つい…。』



ハッと我に返る。



そうだ、ここではあんまり人目に着く殺人はいけないんだった…！




ナイフをテーブルの上に戻して、けーくん先輩を立たせる。





ｹｲﾄ「し、絞めたりなんかしないよぉ〜…。」



トホホ…。とけーくん先輩が首をさする。




ﾘﾄﾞﾙ「全く、入学初日から問題行動とは、いい度胸がおありだね？」



リドル寮長さんに言われて、思わず耳がしょげる。



『で、でも〜…あんなことされたら、誰だって反撃しちゃうじゃないですかぁ…。』



人差し指をくっつけて、小さな声で抗議する。


これは自衛というか…なんというか〜……。





ﾘﾄﾞﾙ「……はぁ。キミはこのパーティー中、ボクから離れないで。分かったね？」




リドル寮長さんに言われて、静かにコクンと頷く。




ﾘﾄﾞﾙ「さっ、歓迎会の続きをしよう。」




リドル寮長さんがパンパン、と手を叩くと、
みんなは渋々パーティーへと戻る。







ﾘﾄﾞﾙ「……一応、学園長からキミのことは聞いているよ。」



パーティー会場の端で、リドル寮長さんが静かに言う。



『？…僕のこと？』



なんの事だろうと、首を傾げる。




ﾘﾄﾞﾙ「…ああ。キミの出身地についてだ。」




『しゅっしん…？ああ！そういえば、殺戮の国に外から黒き馬車が迎えに来たのって、僕が初めてなんですよね！』




そう思うと、光栄だなあ…。




ﾘﾄﾞﾙ「！…あの島は、殺戮の国というのかい？」





寮長さんがそう聞いてきたので、コクリと頷く。





『…あれ？殺戮の国って、外の世界では割と有名なんじゃないでしたっけ？』

10話→←8話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す