平和な裏の世界へようこそ

化け物の勝ち方 ページ7

怜side

「はい〜あがり〜」
「うっわぁ、またお前じゃん」
「しかも8切りからの3上がりとか性悪」

現在、談話室には風華のスリートップが揃っている。そこで行われているのは、重要な会議や報告会でもなく大富豪。うん、大富豪。
改めて考えると、とてもバカなことだと思う。
今頃、真面目に書類を捌いている香織や死ぬ気で潜入捜査をやっている惺世に申し訳なく思う。いや、マジでごめん…

しかし、私もやりたくてやっているわけではない。
ついさっき仁之助からインカムに連絡があって「大富豪をするからこい」と言われた。
もちろん、拒否した。仕事だってあるし、何より大の大人が真っ昼間から大富豪なんてごめんだ。
だからしっかり伝えた。真正面から！
なのにコイツは無視をし続け、挙げ句の果てには私の黒歴史をエサにしてきた。そしてそれに釣られてしまった。
やはり黒歴史はちゃんと隠蔽しなきゃいけないね。なにに使われるかわからない。

「ちぇ、またお前の上がりかよ」
「そりゃ〜お前らの上の者ですから」

そう、これまで何回か試合をしたが理央が勝ち越しているのだ。それだけでなく、本当に性格の悪い戦法を使ってくる。
風華のトップを務めさせているのだから頭脳戦で勝ってもらわなきゃ困るが、こんなクソみたいな上がり方をされるのでと流石に殴りたくもなる。

それにしてもコイツらは何手先まで読めてるんだという動きをしてくる。
1ズレで手札を封じたり、終盤で3枚出ししてきたりでめちゃくちゃいやな動きをする。
多分それは持ち前の性格の悪さと頭脳が作り上げているのだろう。
ほんと、化け物かよ。

…でも、私だって負けていられない。コイツらが性格悪いは何光年も前から知っている。
だからコイツらと上手く付き合っていくには頭のネジを何本か外す必要性がある。
まともじゃない奴らにまともな奴がついていけるわけがない。
じゃあどうすればいいか。簡単な話だ。まともじゃなくなればいい。

「革命。からの2で終了」
「はぁ！？終盤でそれかよぉ…」
「俺たちが残り3枚のをわかってッ！」

バカになれ。勝ちたいのなら

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