狂い咲けよ、アイの花 【オリジナル】【完結】

花 9 ページ9

約束の1ヶ月まで、後、1日


丁度土日と被ってくれたから、春馬の家にお泊まりに来ている。春馬の家に来て気付いたけれど、どうやらお金持ちのようだ
どこかで見た事のある西洋の屋敷風の家。最初見た時は驚いた。けれど、何度も通いつめれば、慣れるものだ


慣れたように2階へと行き、春馬の部屋へと入る。彼がドアを閉めた瞬間、背後から抱きしめられる
温かい体温が、背中越しに伝わってくる。愛おしい愛おしい貴方の体温が……




「は、春馬……？」

「ごめん
久々にAが家に来たから…… つい」

「ふふっ、お世辞でも嬉しいな〜」




振り返ると、顔が目の前にあった


そのまま瞼を閉じ、彼と口付けを交わす。最初は優しくしてくれたものの、激しくなる。胸板を叩くと、彼は私から離れてくれた


今の私は、(多分)顔を真っ赤にしている事であろう
そんな私の反応を楽しんでいるかのように、先輩は口角を上げて微笑んでいる。…… いや、ニヤついているとでも言ったほうがいい




「は、春馬って性格悪い……」

「そんなこと無いけど？」




彼の手が頬に触れる
擦り付けるかのように、春馬の手に自分の頬を当てる。上目遣いを意識しながら春馬を見ると、頬を紅く染める。あぁ…… こんな春馬も素敵だなぁ……




「Aも…… 性格悪いね」

「ふふっ、そうですか？」





煽るかのように微笑むと、春馬はまた、口付けをしてくれた

花 10→←花 8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す