花 5 ページ5
「え……?」
思っていたことが、思わず口に出てしまう
殺す……? って事は、さ、殺人をしろって事に、なる。先輩はこんなに人気で、こんなに信頼されてるのに…… なんでそんなことを言うの……?
疑問だらけの頭は、現状に追いつく事は出来ない。でも、一つだけ言えることがある
「素敵……」
今の私は、目を輝かせてると思う
sanctuary…… 私にとっての聖域を、自分の手で汚す事が出来る。そんな事を考えるだけで、思わず鳥肌が立ってしまう。先輩が何故、そんなお願い事を私にしてきたかは分からない
けど…… こんな素敵なお願い事、聞き捨てならない……!!!
「素敵、だなんて初めて聞いたな……
なんでこんな質問するか聞かないの?」
「き、聞こうとは思いました
でも…… そんな質問よりも、そんな素敵なお願い事されるなんて思ってもみませんでしたから……!」
興奮してしまい、少し声が大きくなってしまう。慌てて口を押さえると、時既に遅し。先輩は、少しポカーンとした間抜けな表情をした後、また花が咲き誇るような笑みを浮かべた
その笑顔を見て、思わず魅入ってしまう
「実はね、俺の昔からの夢が自分を愛してくれる人に殺されるって言う夢なんだ。親からは、頭がおかしいだとか、精神が参ってる、だとか言われて良く精神科に連れていかれてね……
告白してくる子にも、その事を伝えるとよく引かれるんだよ」
「でも……」そう言った後、先輩はさっきよりも私の手を強く握りしめる。先輩の体温が、私の手越しに伝わってくる
目線を逸らしていると、あと片方の手で目と目を合わせられる。綺麗な瞳が、私を映している。その瞳越しに映る私は、いつもよりも綺麗に見える
そして、先輩は私の耳に触れる
「君は…… 響ちゃんは違うよね?」
耳元で呟かれた途端、私の身体は思わずビクッと揺れる。甘い甘い毒を、飲んでいるような気分だ。人を…… 私を快楽に陥ってしまいそうだ
ぐつぐつと、何かが込み上げてくる。欲望…… と言うのだろうか。先輩の為に願いを叶えたい。
「それ…… 叶えてあげますよ、先輩」
そして、私の願いも…… 叶えて欲しい
俯き、私は呟いた。先輩は「ホント!?」と、子供のような声を上げる。私は続けて「でも……」そう呟いた。少し驚いた表情をする
「私の願いも、叶えてくれますよね?」
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はるかな(プロフ) - すごく面白いです!文章力が凄くて憧れます!作品を上手く書くコツなどあったら是非聞きたいです! (2017年3月4日 20時) (レス) id: eb029237c3 (このIDを非表示/違反報告)
とらちゃん(プロフ) - 光芒さん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです……!励みになります!続編もですか!?と、とても嬉しいです……!! (2017年2月26日 19時) (レス) id: c2527a9838 (このIDを非表示/違反報告)
光芒(プロフ) - とてもお上手ですね!私も小説かいてますが,まだまだ作者様の域には到底届きそうにないです…。続編もよんで見ます(´ω`*) (2017年2月26日 18時) (レス) id: 86ba02c6f9 (このIDを非表示/違反報告)
とらちゃん(プロフ) - もえじろう@可愛い葵は我の親友なり!さん» いえいえ。こちらこそ、ありがとうございます! (2017年2月13日 18時) (レス) id: c2527a9838 (このIDを非表示/違反報告)
もえじろう@可愛い葵は我の親友なり!(プロフ) - とらちゃんさん» 載せさせて頂きました。ありがとうございますm(_ _)m (2017年2月13日 18時) (レス) id: eef3ae2f2d (このIDを非表示/違反報告)
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