第186話 半永久的な解放 ページ4
踏み潰していたキョンちゃんから退き、雪那をあやしつつ周囲を伺えば、あたりには破壊された首枷や鎖が散乱していた。
おチビさんたちを連行しようとしたキョンちゃん'sは、黒コートのところどころが炎で炙られたみたいに焦げている。
【きっと六道骸の火柱にやられたんだな】
「オレらの心配返せっつーの！」
「犬だって泣いてたくせに」
「うっ、うるせーびょん！」
一方で、犬たちは元気いっぱい。
近接戦闘がメインの犬が三人の中で一番怪我が多いけど、かすり傷みたいなものだ。
うんうん、キミたちの成長が何よりも嬉しいよ！
「クフフ。おかえりなさい、師匠！！」
「おかえり、ユキさん」
「おかえりだびょん！」
『ただいま！』
腕の中でぐずぐず鼻を鳴らす雪那も、目元を赤くしながら笑ってくれた。
『さて、キミたち。おチビさんたちを連行するのはご遠慮願おうか』
「ナ、ナンダト……イクラ貴様ガ庇オウトモ、六道骸タチヲ連行スルノハ決定事項ダ」
「チョッ、待テ！」
「相手ガ三浦ユキトハイエ、何ヲ戸惑ウ必要ガアル」
一緒に日本に来た方のキョンちゃん'sが止めようとするも、聞く耳を持ちそうにないので私が教えてあげるか。
懐から契約書を取り出して掲げて見せる。
『じゃじゃーん！ 六道骸・城島犬・柿本千種の身柄を拘束することを禁ずる。また、今後彼らが罪をおかさぬ限り、無暗にその身を追うことも禁ずる。契約者……三浦ユキ、復讐者。おわかり？』
「ナッ……！？」
「「「！！？」」」
「キ、聞イテナイゾ！？」
『だって今さっきバミュたんと契約してきたからね。というわけで、おチビさんたちを連行するのはこの契約に反する不当行為だ。それでも逆らうなら……凍らすよ？』
ニッコリしてやるとキョンちゃん'sはぶるりとその身を震わせた。
【おまえ、いま絶対にゲスい顔してんだろ。ミドゥーザがドン引きしてんぞ】
「「ヒィイイ！！ カッ、帰リマスゥウ！！」」
「ダカラ待テト言ッタンダ！」
「アッ！ アイツラ先ニ戻リヤガッタ！」
そんなこんなでキョンちゃん'sは逃走しましたとさ☆
「ユ、ユキ！ さっきのって本当なのかよ！？」
『うん、本当だよ。はい、これはキミたちの分の契約書だ。決してなくさないように』
「ありがとう、ユキさん」
「師匠…。ありがとう、ございます……！」
あはは。珍しく二人が目をうるうるさせてる。
これで千種とおチビさんが女の子だったらなぁ…。
【感動の雰囲気をブチ壊すのやめてくれる！？】
第187話 めんどいことになる予感→←第185話 開始早々ドS全開
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霽月(プロフ) - 緋雨さん» ありがとうございます!! お陰様でなんとか完結させることができました。いつもコメントありがとうございます。たまに番外編ものぞいてやってくださいね。これからも精進します!! (2019年8月30日 21時) (
レス) id: a6fc521fe8 (このIDを非表示/違反報告)
緋雨 - ハル姉 完結おめでとうございます！！ ユキちゃんとスクアーロの結婚式 読んでてとても面白かったです！！ 今までとても素敵なこの作品を書いてくれてありがとうございます！ お疲れ様でした！ (2019年8月30日 20時) (レス) id: abe5765737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霽月 | 作成日時：2019年6月17日 23時
