第167話 ジョットの炎 ページ32
ミドゥーザの手を取った白蘭は憑き物が落ちたようにスッキリした顔になって、目にもハイライトが戻っている。
うん、二人とも楽しそうで何よりだ。
「そんで、タルボのじっちゃんってば血翔に模様を彫り出したと思ったら仕込みしててさぁ。もうびっくり！ 危うく仕込み刃で顔を斬っちゃうところだったんだヨ？」
「面白いお爺さんだねっ♪」
「ちょっと、面白いで片付けないでヨ、白蘭！」
「アハハ、ごめんごめん」
【ユキは白蘭と友達にならないのか？】
ならないよ、だって男だから。
【そんな理由で！？ じゃあマーモンはどうなんだよ？ あいつは悪友枠なんだよな？】
バイパー？ いいの、あの子は性別不明だから。
【ほんっとお前ブレねぇよな…】
そうして気の遠くなるほど長い時間、三人で手合わせしたり、ぐーたらしたり、私の全力の幻術で二人を幻術汚染地獄に招待したり、エトセトラ。
【おまえ、未来では沢田綱吉にまかせっきりで殴れなかったから、なんて言って本当に十発は殴ってたよな】
でも、ちゃんと手加減はしたよ？
さすがに万年反抗期野郎みたいに顔面崩壊させちゃうのはマズイかなーって思って。
【当たり前だ！！ つーか、この宇宙みたいな空間を破壊しないのはなんでなんだ？ ひとつ前の雪降る空間は盛大に壊してたのによ】
私の勘がここで待ってるべきって言ってるから。
【……ソレもう超直感じゃね？】
いや、女の勘だよ。
ポゥ…
宇宙モドキ空間に橙のあたたかな光が差す。
これは……ジョットの炎だ。
『よし。行くぞ、ミドゥーザ、白蘭』
「やっとここから脱出できるんだね。フフ、ノロノロしてると置いて行っちゃうよ、ミドゥーザ」
「待ってヨ、二人とも！ 走るの速すぎじゃない！？」
『はっはっは！』
「アハハッ」
炎を目印にして一直線に走り抜ける。
うっすら霞がかる前方が目前になった瞬間、私とミドゥーザは白蘭から引き離される。
『！』
「あっ、白蘭！」
「うーん……ここからは別々みたいだ」
立ち止まる二人に合わせて私も歩みを止める。
「ぜーったいに迎えに行くからさっ……僕を待っててよネ！！」
「うん、待ってるよ」
「じゃ！」
「じゃ♪」
嬉しそうに笑う白蘭が光に包まれ、ほとんど同時に私たちも別の光に包まれる。
ありがとう、ジョット……キミのおかげで無事にハルたちのもとへ帰れそうだ。
光の向こうでやわらかく微笑む彼の姿が見えた気がした。
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霽月(プロフ) - 緋雨さん» うぅっ、温かいお言葉をありがとうございます! 最後まで面白おかしく、ハチャメチャなユキちゃんをお送りしますね♪ (2019年6月13日 23時) (
レス) id: 125a99d5bb (このIDを非表示/違反報告)
緋雨 - もしPart13になっても応援してます!! いつも面白い話を書いてくれてありがとうございます♪ (2019年6月13日 21時) (レス) id: abe5765737 (このIDを非表示/違反報告)
霽月(プロフ) - part12で収まるかな……ダメそうな、気が、する。うわぁああ、ここまでついて来てくれた皆様ありがとうございます!!! 先に謝っておきますね!!! ごめんなさーい!!!! (2019年6月13日 18時) (レス) id: 125a99d5bb (このIDを非表示/違反報告)
霽月(プロフ) - 緋雨さん» ありがとうございます!! そのお言葉が何よりも活力になります、頑張りますね! 本編は私の力不足で未来編にて終了しますが、代理戦争編などちょこちょこ番外編で取り上げるのでお時間ありましたらお付き合いくださいね。 (2019年5月25日 22時) (レス) id: 2fcd0a6579 (このIDを非表示/違反報告)
緋雨 - ハル姉シリーズ面白いです！ 未来編で終わるのが少し寂しいです(｡>__<｡) 更新楽しみにしてます！！ ハル姉大好きです！ (2019年5月25日 22時) (レス) id: abe5765737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霽月 | 作成日時：2019年5月25日 21時
