第119話 慢心も舐めプも厳禁ダゾ☆ ページ29
原理は私のバトルスーツに馴染んだアルジェと同じで、お梅ちゃん自体にアルジェの能力が付与される。
隙あらば手足が出つつ、数合切り結んでタイミングを図る。
黒い鱗に阻まれ、攻撃はヒットしつつもダメージは与えられない。
『……ここだァ！！ いくぞお梅ちゃん！！
「ほぅ…」
超至近距離で
幾度も打ち合ったんだ、ここまでやっていれば反抗期野郎の癖は理解したくなくとも理解している。
絶対に避けられないタイミングで飛ばしたため、防御はできない……つまり受けるしかない。
それに何より、
「(流石は三浦ユキ、ここまで我の癖を理解するか……しかし我の身を守る竜の鱗に斬撃は阻まれ届かず、“
反抗期野郎は厨二病特有の慢心状態だからな。
【だろうな。今まで危なくなったとしても最終手段の“消滅”でなんとでもなっただろうからな】
ガキィンッ！！！
やはり斬撃は鱗に阻まれ、
ズオオォ……！！
雪の炎はたやすく吸収される。
二ィ、と口端が吊り上がるのが自分でもわかる。
「はは。同じことの繰り返しで我は飽き……、ッッ！！？！」
『私だって飽きたよ』
「こ、これは……ッ！？ 貴様なぜ……なぜ、“消滅”の炎を扱えるッ！！？」
雪の炎は二つの特性を持つけれど、それによって炎の色なんかが変わるわけじゃない。
今回はそれを利用したまでだ。
だからアルジェにはお梅ちゃんに宿ってもらい、斬撃とともにアルジェの“消滅”の炎を放った。
氷クナイでも目に見えるアルジェからの攻撃でもない、私からの剣撃に油断した反抗期野郎は斬撃が纏う炎を“凍結”の炎だと勘違いして吸収したんだ。
「ぐッ……ぬ、ぉおおお！！！」
今、奴の体の中では吸収した“消滅”の炎が内側から猛威をふるっている。
それを収めるためだろう、“鎮静”の特性を持つ雨の炎が反抗期野郎からかすかに漏れ出る。
「う、うぅ……あやうく消えかかるところだったぞ…」
『消えられちゃ困る。私たちがボコボコにするからな』
「そのとーりっ！」
「！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 19人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：霽月 | 作成日時：2019年5月9日 21時
