第94話 あたまキた ページ49
「クっ、クローム！？ なにしてるんだ！？」
「ボス……この子はランボさんじゃない」
「えっ！？」
「敵……！！」
敵が化けたであろうランボを増々締め上げる蔓。
ユニの隣に座る真美姉がユニを抱き寄せる。
その時、オレたち兄妹の脳裏に母さんの言葉がよぎった。
――――迎撃準備が早いに越したことはない。
出入り口付近にいたオレと雪華はそれぞれ雨と雷の炎を灯し、シールドを張って備える。
サァアァ…
ランボの姿が消えていき、有幻覚の蔓を力ずくで引き剥がしていく。
「ランボつぁんはね〜、今までみたいに外から攻めて逃げられるの嫌だから内側に入り込んだんだよ〜」
「お前は！！」
「やっぱり……トリカブト」
さすがクローム姉！
クローム姉が気づいたからオレたちもこうして備えることが出来ている。
本物のランボはソファの下に押し込まれていたらしい。
「……雪華、前を頼むな」
「うん！」
外に気配が二つ……化粧男と女の子だろう。
炎の特性を鑑みて、雪華には外からの攻撃に備えてもらい、オレは…
「なっ！」
「真美ちゃん！ ユニちゃん！」
真美姉ごとユニを抱えて出口を強行突破しようとする仮面野郎に雨の炎を浴びせて少しでも動きを鈍らせる……！
「逃がさんぞ！！」
「いや、了平兄たちはそこから動かないで戦闘準備だ！！ くるぞ、雪華！」
まずは迫るトリカブトに雨の炎を浴びせ、出て行かせる。
一瞬雪華の雷の炎が出ていくことを防ぐが、すぐさま破られる……それでいい。
トリカブトが外へ出た途端に降ってくる攻撃に、今度はもっと大きな雷の炎を灯して強いシールドを展開してこれを防ぐ。
被害は店の出入り口のみに留まった……ただし、雪華が大きく炎を消費しているが。
「よくやったな。奥にいろ、雪華」
「うん…」
「あいつらは……！ 真六弔花！！」
◇◇◇
真美side
不覚……！
あたしはユニと共にトリカブトに抱えられている。
「さあ、ここは我々に任せてユニ様……と、真美様をお連れしなさいトリカブト」
「あたしを……ついでみたいに……言うんじゃなーーい！！！」
あっっったまキた！！！
数年前にユキお姉ちゃんから貰った黒交じりの赤いリングに炎を灯す。
他の誰とも違うこの炎は――――重力を自在に操ることができる。
ボオォオッ！！！
「沈めてやるっ！！！」
あたしだって、ユキお姉ちゃんの弟子だ！！
年下にばっかり、いい恰好はさせられないんだから！！
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霽月(プロフ) - ゆきなさん» コメントありがとうございます。さ、最初から…もはや最初の頃のは書き直したいレベルでお恥ずかしい限りです。最後まで面白いものを書けるよう、頑張ります！ (2019年3月11日 19時) (
レス) id: b6246d6e58 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - こんな遅くにすみません！２日かけて最初からユニちゃんと未来で再会！って感じの所まで読みました！面白かったです！これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年3月7日 1時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霽月 | 作成日時：2018年4月17日 22時
