第91話 手紙 ページ46
《思ったより早くケリがつく……ユニを連れてアジトから少しでも遠くへ…》
雪華の目に涙が浮かぶ。
《逃げろぉ……！！ っ、この……クソがぁ！！》
また背後の廃工場で爆発が連続して巻き起こる。
「行くぞ！！」
「行かなくちゃ！！」
涙を強く拭った雪華とともにそう声を上げ、沢田サンたちを促す。
立ち止まってる暇は……ない！！
「ハル姉！ その不動産屋の場所はどこだ！？ 案内たのむ！！」
「はっ、はい！ 5丁目なのでこのすぐ近くです！ 先の商店街を右に曲がった所に！！」
「お兄ちゃん、しんがりは一旦任せるね！ ハルお姉ちゃん、先頭は怖いかもしれないけど、私が絶対に守るから、一緒に走って！！」
「雪那くん、雪華ちゃん…」
今は……今だけは、感傷も涙もここに置いて行く……！！
それに、母さんを残してくたばるような男じゃないしな……！！
「こっちです！ 右に曲がった所にある川平不動産です！！」
「あった！ よし、私はしんがりに戻るね！」
先頭から戻って来た雪華と共に背後や上空を警戒する。
「すんげーレトロな感じ…」
「仕方ないです！ おばあちゃんが一人で頑張ってるんですから！」
どうやら鍵が閉まっているらしい……当然か。
「おばあちゃん！！ 開けてください、ハルです！！」
ドンドンと窓ガラスを叩くハル姉だけど、反応ナシ。
「つぶれちゃったんじゃないの…？」
「そんな！！ おばあちゃん！！」
また窓ガラスを叩こうとするのを遮るように、ガラリと引き戸が開けられ、ラーメンを持った男が出てきた。
「はひっ」
「おっと。ラーメン危ない」
「きゃっ」
勿論、空振りしたハル姉は転んでしまう。
うわ……母さんが見てたらこの人凍らされてたな…
「いたた……本当にユキちゃんの言った通りに転んじゃいました〜。あ、あの、これユキちゃん……ハルのお姉ちゃんからのお手紙です！」
「ユキさんから……？」
母さんからの……手紙？
でも、なんでこの人に……？
「なになに……？」
[なぁに私の可愛い可愛い可愛い妹を転ばせてんだよ、あァん？ 幼い私にアルコバレーノになることを強制した恨みつらみィ！！ 今ここで果たしてやってもいいんだよ、ええ？ 私の名は三浦ユキ。この名を忘れたとは言わせないよ……！！]
手紙を読んでいて途中でピシリと固まった男はダラダラと冷や汗を流している。
なんだ……？ 何が書かれているんだ……？
「(うわ、やっべ)」
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霽月(プロフ) - ゆきなさん» コメントありがとうございます。さ、最初から…もはや最初の頃のは書き直したいレベルでお恥ずかしい限りです。最後まで面白いものを書けるよう、頑張ります！ (2019年3月11日 19時) (
レス) id: b6246d6e58 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - こんな遅くにすみません！２日かけて最初からユニちゃんと未来で再会！って感じの所まで読みました！面白かったです！これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年3月7日 1時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霽月 | 作成日時：2018年4月17日 22時
