第58話 時間稼ぎしたいらしいけど、 ページ13
「えーっと……こう、かな！」
危なげなく雪のマーレリングに炎を灯したミドゥーザは、そのまま血翔に炎を纏わせる。
やるじゃん！
「ふむ、未知の力を理解し、オレに真っ向勝負を仕掛けるつもりか。その意気や良し！ かかってくるがいい！」
「なめないでよネ！」
パン野郎の大振りな剣と棍棒とが幾度となく火花を散らす。
先程の私の動きを模倣しているのだろう、たまに手足を出しては酷氷の炎を急所へ飛ばしている。
「あちらはパンファに任せるとしよう。さて、我とおまえとは既に決別している。故に、その瞳は我らの創造する新世界のために捧げる。そして……“雪の者”としての力を失ったとしてもおまえは我らの脅威足り得る…」
じっくりといたぶるように、コツリコツリと音を立てながら黒兎は一歩ずつ私の元へと歩みを進める。
「ッ！ オネーサン！！」
「小僧、こちらに集中しなくていいのか？」
「くっ……！」
黒兎の右腕はその付け根から指先にかけてドラゴンの鱗のようなものに覆われ、纏わせた嵐の炎が轟々と唸る。
「故に、その命、この場で奪わせてもらおう。」
後方へ向けて引き絞られた腕は力を溜め、これ以上ない威力を持ってユキの心臓を穿つだろう。
「おまえの命は新世界のための礎となる。存分に喜んで逝くが良い。」
静かに目蓋をおろしたユキは迫る炎の熱気を感じ、
ウオォオオン！！！！
相棒の合図によって刮目し、過去からの贈り物でもって黒兎を斬りつけた。
『ナイスタイミングだよ、
「何っ……！？」
『せいやァ！』
「がッ！」
返す刃でパン野郎に衝撃波をぶち込み、その間にノントゥリニセッテ装置を破壊して戻って来たアルジェが黒兎の横腹に噛みついてそこらのビルに投げ飛ばす。
「オネーサン！」
『心配かけたね。』
いやぁ、今回は流石にヤバかったかな。
【あー、ビビった。まっさか例の装置を持ち込んでくるとは予想外だったな】
こいつらを倒すことは可能だけど……うん、やっぱり今回は野球少年がワカメヘア―を倒すまでの時間稼ぎに集中した方がいいかな。
万が一のためにも炎は余らせておくべきだし。
《ユキさん、無事ですね！？》
『おうとも。そっちの現況は？』
《綱吉君が交戦したトリカブトの炎反応が消滅したことで、彼にはデイジーのところへ向かってもらっています。それから山本君は幻騎士と交戦中です。》
『……術士の方はまだ完全には倒せてはいないだろうね。』
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霽月(プロフ) - ゆきなさん» コメントありがとうございます。さ、最初から…もはや最初の頃のは書き直したいレベルでお恥ずかしい限りです。最後まで面白いものを書けるよう、頑張ります！ (2019年3月11日 19時) (
レス) id: b6246d6e58 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - こんな遅くにすみません！２日かけて最初からユニちゃんと未来で再会！って感じの所まで読みました！面白かったです！これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年3月7日 1時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霽月 | 作成日時：2018年4月17日 22時
