第56話 鍔迫り合い ページ11
ここはノントゥリニセッテがないから体に雪の炎を巡らす必要もない。
今もてる全力で黒兎をコテンパンにしてやんぜ！
『いこう、アルジェ。』
冷え切った刀身に雪の炎を纏わせ、黒兎の足元からすくい上げるようにして軌道を描く。
そこから飛び出すのは斬撃ではなく、雪の炎の"造形"によってできた小型爆弾。
リング争奪戦の頃のスクアーロみたいでしょ？
「！」
いい具合に煙が立ち込めているけど、黒兎の気配は掴めている。
煙など物ともせずにお梅ちゃんを振るう。
キンッ！ ガンッ！ ギギギッ……！
互いの得物それぞれに雷の炎を纏わせた槍の柄と刀身とがぶつかり合い、緑の閃光が弾ける。
鍔迫り合いになったこの状況をころさず、足から酷氷の炎を出して、気づかれないうちに黒兎の足元を凍らせてしまう。
『アルジェ！』
ウオォオオン！！！
"遠吠え"によって全身が凍りつく黒兎。
けど、これで終わりなんかじゃない。
ボウッ！！
氷像が内側から発生した嵐の炎によって溶けていく。
【ま、そう簡単にはやらせてくれないよな。なんてったって"雪の者"は全属性を自在に使えるんだからな】
「次は我の番だ。」
槍に流されるのはほぼ全ての属性の炎。
『へぇ、おもしろそう！ 私もやってみよう！』
互いの急所を狙って槍と太刀をぶつけ合う。
まぁ、私はたまに手足が出てるけど。
坊主は私たちの戦いに魅入っているようで、一言も喋りもしない。
《なんという戦いだ…》
《ユキも黒兎も全ての属性をああも莫大に生み出せるのか……あれが"雪の者"か》
《つーか母さんも黒兎も早すぎ…》
《もっと鍛えるんだなぁ"》
「なるほど……貴様の力量は理解した。」
『ちょっと。これが私の本気な訳ないだろ、デタラメなこと言ってんじゃない。』
様子見はひとまずこんなところでしょ。
【えーと、他のメンバーは…】
マグロは仮面野郎をぶん殴って、野球少年はマロ眉くんと交戦中。
『！ ミドゥーザ、自分の身くらいは自分で守りなよ。』
おいおい、三つ巴じゃなかったのかよ。
ミドゥーザは現状では不参加だけども。
「我らの目的は一つ。苦しみにまみれたこの世界を新たに創造し、我らが頂点に立つ。そのためには貴様らの氷の目が必要だ。」
胸元をはだけさせ、黒兎はそこに埋まる匣に雪のリングを嵌めた。
……野郎の胸元なんざ見ても楽しくねェ。
【だからおまえ呑気すぎィ！！ 真面目にやりなさい！！】
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霽月(プロフ) - ゆきなさん» コメントありがとうございます。さ、最初から…もはや最初の頃のは書き直したいレベルでお恥ずかしい限りです。最後まで面白いものを書けるよう、頑張ります！ (2019年3月11日 19時) (
レス) id: b6246d6e58 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - こんな遅くにすみません！２日かけて最初からユニちゃんと未来で再会！って感じの所まで読みました！面白かったです！これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年3月7日 1時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霽月 | 作成日時：2018年4月17日 22時
