最終話 ページ23
「…私ゾムくんに甘えてばっかりだなって嫌気がさして」
「ええやん。俺は甘えて欲しいで」
「なんでそんなに私の事を」
ああ、めんどくさい。
なんでこんなに女ってめんどくさいんだろう。
「…俺新入社員の時先輩に一目惚れしてん、歓迎会の時に。でもその後タバコ吸うの知ってなしになったんやけど」
「……」
「でもな、ちょくちょく会社で見るし同じ総務課やから噂も聞く。やっぱ顔タイプやなーとは思っとった」
「……」
「異動して先輩と関わってくうちになんかこう、嫌いやのに無性に好きやなーって」
少し体の距離を離し彼が唇を寄せる。それに応えるように腰に腕を回す。
数回キスをしてお互いに目が合い笑い合う。
「A、知っとる？唇は唯一人間の体外にある内臓なんやで？」
「え、そうなの？」
「せや。だから俺はAの内臓までも愛してるんやな」
「…臭いセリフ吐くね」
「それは俺も思ったわ。でもAにはなんでも言いたくなる」
「ふふ。そんなゾムくんが好きだよ」
「ちょ、あかんて…今それは反則や」
口元を手で覆い顔を背ける彼の耳朶が赤くてまた愛おしさが増す。
嫌いなのに好きと言う彼の言葉は普通なら意味がわからないはずなのにストンと心に響くのは何故なのだろう。
それでもなんとなく自分もそれがわかってしまうのだから敵わない。
これからもきっと彼に甘やかされて私はゾムくんの隣にいる。
いつか私に余裕が出来たらこれ以上に甘やかしてあげたいな、なんて気取ったってきっと、やっぱりいつまでも私は彼に敵わないんだろうな。
「先輩、今日帰ったら覚悟しといてな」
「わかった」
「はぁ〜なんで今日そんな強気なん？めっちゃそそるやん」
ヘビースモーカーと嫌煙家 fin.
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有馬(プロフ) - 椋｡-ﾘｮｳ-さん» 最後まで読んでいただきありがとうございます！番外編、気長にお待ちいただけると幸いです(^^) (2020年1月9日 9時) (
レス) id: adf3e71480 (このIDを非表示/違反報告)
椋｡-ﾘｮｳ-(プロフ) - ものすごくキュンとして楽しかったです。ゾムさんサイドでもなんでも、また出たら観にきますね！ありがとうございました(*^^*) (2020年1月8日 2時) (レス) id: 3a81e6a90e (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - 椋｡-ﾘｮｳ-さん» 明けましておめでとうございます。どうしても入れたくて元から考えていた所に組み込ませていただきました！ (2020年1月3日 19時) (レス) id: adf3e71480 (このIDを非表示/違反報告)
椋｡-ﾘｮｳ-(プロフ) - 新年早々の更新、とても嬉しいです。しかもあのマフラーのくだりが入っているとは…！これからも応援しております。 (2020年1月3日 17時) (レス) id: 3a81e6a90e (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - 椋｡-ﾘｮｳ-さん» いつもありがとうございます。まだ続きますので暖かく見守ってくださると嬉しいです！ (2019年12月27日 8時) (レス) id: adf3e71480 (このIDを非表示/違反報告)
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