【d!】ヘブンリーブルーの秘密【kn】【完結】 (ページ44)

今日:5 hit、昨日:10 hit、合計:67,155 hit

44 ページ44

・

そして俺は広い教室の中に、一人になってしまった。

kn「俺はAに成仏なんかして欲しくなかったんや…！」

念願叶ってAと両想いになれたとしても、どうしようもない。

もうAの姿も視えへんし、二度と一緒に話すことも出来ひん。

俺は教室から動けへんかった。

しばらくして重い足取りで職員室に寄って、らだお先生に帰ると伝えた。

kn「らだお先生、用済んだし帰るわ」

rd「捏島、顔色悪いけど大丈夫？」

kn「あ、うん。…大丈夫やで」

rd「ほんとに？ところで、花宮Aにはちゃんと逢えた？」

らだお先生の言葉に思わず顔を上げた。

kn「らだお先生、なんで…！」

なんでAがここに来てることを知ってるんやって聞こうと思ったら、らだお先生が先に答えた。

rd「学校は良く出るんだよ、特に幽霊とかね。…タクシー拾ってちゃんと帰りなよ」

kn「…分かったわ」

生返事をらだお先生に返すと、俺は学校を出た。

正直、家までどうやって帰ったか全く覚えてへん。

スマホを見るとショッピくん、チーノ、大先生からの着信履歴とトークが大量に送られていた。

返事も返す気力も湧かへんから、適当にスタンプを送って俺はそのままスマホの画面を閉じてベッドに飛び込んだ。

いつの間にか俺は、泥のように眠ってしまった。