【d!】ヘブンリーブルーの秘密【kn】【完結】 (ページ35)

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A視点

kn「はぁー、ただいま」

ついにコネシマくんが帰って来た。

大人になったコネシマくんは、高校生の頃とほとんど変わっていなかった。

少し顔つきや雰囲気が大人びたかな。

緊張して心臓がバクバクと音を立て始める。

既に死んでいるのに、こんなことってある？

そして同時に私がコネシマくんに気持ちを伝えてしまったら、成仏してしまうことをなんとなく悟ってしまった。

それだけが、私の心残りだったから。

コネシマくんは家族と違って、私のことは視えるのだろうか。

「おかえり、コネシマくん」

私が声を掛けると辺りをキョロキョロと見回すコネシマくんに、もう一声掛けてみる。

「もう、せっかく返してあげたのに無視？」

お願いコネシマくん、私に気付いて…！

kn「俺、相当酔ってるんやな…！」

コネシマくんは私と確かに目を合わせるなり、ソファに座り込んだ。

やっぱり、死んだはずの人間が視えるなんておかしいと思うよね。

「コネシマくん、これは夢じゃないよ。頬を抓ってみなよ」

コネシマくんは私に言われるがままに、思いっきり自分の頬を抓った。

kn「ほんまに夢じゃないんか…？」

「夢じゃないって言ってるじゃん、コネシマくん」

kn「ほんまのほんまに、Aなんか？」

「正真正銘、花宮Aだよ」

コネシマくんが私に手を伸ばすと、すり抜けて空を切った。