【REBORN】最弱幹部は息を潜める 2nd Bullet (ページ3)

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目的27:初対面というべきかページ3

『とんでもねぇことになってんなぁ。
……まぁ、お前であればできるとも』

「………………………………………………？」

何か聞こえた気がする。
いつか聞いた声。いつだったっけ。
確か、前にもこんなことが……？

ゆっくりと瞼を開けると見慣れた天井が映る。
あぁ、そういえば帰って……帰って、きた、っけ？

眠る前の記憶を手繰る。
屋上で恭弥君にコテンパンにやられて、その後……
何かが割れる音がして、身体が痛くて、
10年バズーカに当たって。

「？！」

思わずベッドから身体を勢いよく起こすが、
同時に頭の中で鐘が鳴った気がする。

「〜〜〜〜〜〜〜〜っ」

余韻を引きずりつつ、周囲を見渡す。
よく見慣れた必要最低限のものしかない自室。
でもなんとなく雰囲気が違う。
そして隣には黒い人影があった。

「目が覚めた？」

つい先程まで一緒にいたはずの彼ではあった。
ただ学ランではなく黒いスーツに身を包んでいる。

「恭、雲雀……さん？」
「何で疑問系なの。あと何で言い直したの」

歳近いしってことで名前で呼んだり敬語なしでって話になっていたのだ。
しかし目の前の彼は明らかに年上である。
戻るのも無理ないと思うんだ。

「……10年前の僕は君に名前で呼べって言わなかった？」
「……言っ、た」

'10年前の僕"という単語で実感が湧いた。
10年バズーカとやらに当たって、私は今10年後の世界にいる。
雰囲気の違う自室は知ってるときから10年たってるから。
見事に違和感の辻褄があってしまった。

「……10年後、かぁ」
「ワオ、流石状況理解が早いね」

彼はニヤリと笑う。
つい数刻前まで見ていた顔で、面影もしっかりある。
何というか、大人の色気ってこういうのをいうんだろうなぁ、という感想が浮かんだ。

それなら、と恭弥君は支えに置いてあった1通の手紙を差し出す。
ボスからかと思ったが封蝋が違う。
むしろこれは私が使うときのものだった。

「この時代の、私……？」
「……本当、10年前でもAはAなんだね」

促され、封を開けて目を通す。

「……現状は恭弥君に聞けって」
「……………………そんな気はしてたけどね」

彼は軽くため息をつく。
10年後の私は手紙で彼のこと'恭弥"って呼び捨てにしてるし、彼の反応も何か……結構、仲良い？
10年の年月に何があったのかは彼らにしかわからないのだろう。