【REBORN】最弱幹部は息を潜める 2nd Bullet (ページ16)

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目的40:悪魔の人形劇ページ16

その翌日。再びのトレーニングルームにて。
まだ恭弥君は来ていないので私だけ。

「……じゃあ、今のうちに」

試してみるか、と銃を取る。
昨日、霧の炎の特徴は構築と聞いた。

術士が使うのが大半らしいけど、ふと思った。
雲の炎で銃を増殖させたものを霧の炎で固定化できないかと。
初日にガス欠になったのはたぶん増殖させたものを
持続させるのにも炎を使ってたから。
これをもし霧の炎で構築できればガス欠にもならず、実践にも使えるのではないか。

ものは試しと昨日やったように銃に炎を流す。
今回は霧と雲の両方を流し込むイメージで。

するとあっさりと銃が2つに増えた。
昨日の疲労感もない。

「……できちゃった」

正直簡単にできてしまい拍子抜けだった。
試しに一発撃ってみるが全く問題なし。
大成功だった。

「……まじにできちゃった」

ただ手を離すと消えるので例えば剣を作って投擲する、なんて芸当は無理そうだ。

しかし自分の死ぬ気の炎の特性を知っているだけでここまで変わるものか、と知識の大切さを実感する。
万一に何も知らない状況でこの世界に放り出されてたらまずかっただろうなぁ、なんて思った。

「へぇ、もうそこまで行ったの」

と恭弥君が入って来ると、私の手の2丁の銃を眺めた。
ただ言い回しが気になった。
そういう言い方をするということは。

「……この時代の私もやってたの？」
「むしろもっとたくさんあったね」

1つを2つにするだけじゃなくてたくさん……？
ガス欠にならずに？
そもそもどうやって持つの？
とりあえず10年後の私やっぱりすごいのでは。
と感心していたら、彼は匣を指さした。

「まぁ群れてどうにかしてたみたいだけどね」

本当に群れてるクロは好きではないらしい。
君のハリネズミと仲良くしてたけど、という小言は胸にしまっておく。
ものは試しと開匣する。

「ねぇクロ、銃を増やすの手伝える？」

するとクロは任せなさい、と言わんばかりにひとつ鳴いた。
そのまま銃を持つ右袖を嘴で引っ張る。
'普段通り増やせ"と言っている気がした。

「こ、こう……？」

すると銃は増えた。というかクロが銃になった。

「おぉ？！」

思わず感嘆の声をあげる。
そしてその銃は宙で2つ、4つとどんどん増えていく。
もはや銃というよりもSF作品に出てくる遠隔操作してビームを放つ兵器が近い気がする。

「本当、クロは面白い性能してるよね。
これだから匣は面白い」

彼も開匣し、トンファーを構える。

「さぁ、やろうか」