【REBORN】最弱幹部は息を潜める (ページ5)

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目的04:前哨戦　〜ツナside〜ページ5

深夜の並盛中学に俺と獄寺君、山本と共に到着する。
お兄さんは来ていたが雲雀さんの姿はまだなかった。

「いいかてめーら！何が何でも勝つぜ！」
「何言ってんだ？戦うの雲雀だぜ」
「お前がいきりたってどーするのだ？」

なんて3人の会話を聞きながら俺はグラウンドを眺めた。
相手は1回も姿を見せていないので
まだどんな人かも何もわからない。

「んなこたわーってんだよ！相手はもう後がねぇんだ！10代目のお手を煩わせることはねぇ！！」

今日勝てばリングの数が2-4となり
俺とXANXUSが戦うことなくリング争奪戦は終わる。
それでもあちらがそう簡単に終わるとは思えない。

「お、今日の主役の登場だぜ」

そう言った山本の視線の先には雲雀さんが静かに歩みを進めていた。

「君達、何の群れ？目障りだ。消えないと殺すよ」
「まーまー落ち着けって。俺たちは偶然通りかかっただけだから気にすんな雲雀。なっ」

と山本が軽く宥めたがすでに雲雀さんの視線は移っていた。

「それで、僕はどれを咬み殺せばいいの？」

グラウンドにはすでにヴァリアーの姿はあるがそこに相手となる人の姿はまだなかった。

「ビビって逃げたんじゃねぇーのか？」

そう言い放った獄寺君の横には

「……へぇ、とんだ軟弱者だと思われてるようだ」

ヴァリアーの隊服を着た少年が彼に銃を向けて立っていた。

「なっ？！テメェ！！！」

獄寺君は素早く下がるが、その場で彼はくすくすと笑う。

「いやぁ失礼。余りにも隙だらけなものだからどうしたものかと出るタイミングを伺っていたよ」

彼はその場でくるりと廻って軽く一例する。

「はじめまして、沢田綱吉君とその守護者諸君。
俺がヴァリアー側の雲の守護者。名前はこの仕事柄控えさせて欲しいな。今はとりあえずジャックとでも呼んでくれ」

隊服に身を包み白い仮面をつけ、フードを被った彼は
靴音を静かに鳴らしながら自分の主人の元へ赴いた。

「遅くなりました」
「その分さっさと片付けてこい」
「承知いたしました」

その簡単な彼らのやりとりを見ながらも感じた。
彼は異質だった。
彼の言っていることは恐らく本当で。
きっととても強いのだと思う。

でもそれでも違和感が拭えない。
いきなり姿を現したときは驚いたし恐怖したが
それでも他のヴァリアーの面々とは明らかに違う。
確かに怖いのだが、怖くない。
仮面の細い目と口の笑顔がその異質さを際立たせていた。