【REBORN】最弱幹部は息を潜める (ページ12)

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目的11:夜明けに向けてページ12

「い゛っ……………！？」

手首に激しい痛みの走った数秒後に私は地面に崩れ落ちた。
私以外の守護者たちも同様のようだ。

体が熱い。痛い。動かない。
血液が沸騰してるんじゃないだろうか。
指1本動かすのもきつい程の激痛だった。

「ただ今守護者全員に毒が注入されました。
デスヒーターと呼ばれるこの毒は瞬時に神経を麻痺させ立つことすら困難にします。
そして全身を貫く燃えるような痛みは徐々に増していき、30分で絶命します」

ふざけるな。
10代目を決める戦いでこのような形で守護者の命をかける必要がどこにある。
チェルベッロをぶっ飛ばしたい気持ちはあるがそれに体がついてくるはずもなく、ただ倒れ伏したまま動けないでいた。

30分はあくまで目安で怪我人や幼い子はそれよりも早くタイムリミットを迎えることだって充分にあり得る。
それぞれ昨日までの戦いで負傷してる。
タイムリミットは長くない。

リストバンドにリングを差し込めば解毒剤が投与されるらしい。
少しずつ顔を上げ、正面のリングのあるポールを見据える。

かなり背が高いから、この状態で飛んで取るのは危険すぎる。そもそもできる気もしない。

支柱の1本を撃ち抜いて倒してリングを取りに行くのが1番再現性がある。
……取りに行けるかは別として。

それでもこのままここでくたばってる訳にはいかない。

少しずつ銃を支柱に向ける。
ここから見て狙いは左から2番目、奥側のポール。

「…………っ…………あ゛…………」

どうにかして銃を前に持ってくることはできた。
後は炎を込めて撃つだけ。
ここまで銃を動かすだけでかなり体力を使った。
たぶん一発しか撃てない。外したらたぶんこれ以上は無理。

いつもなら訳ないが、今回は当てれるのだろうか。
当てるしかないんだけど。
もちろん当たっても倒れなきゃ意味がないから最大火力で撃つしかない。

失敗を考えて恐怖を味わうのはいつ以来だろう。
今回はそれが引き金を引かない理由にはならないけど。

……私は今までたくさんの人を殺してきた。
いつかその報いを受ける日は来ると思ってる。
でもそれは、こんな訳の分からない形で、
毒死することじゃない。
どうせなら誰かに殺されて死ね。
こんな死に方、認めない。

大丈夫、絶対成功する。

XANXUSの弟子がこの程度の毒に
負けるはずないのだから。

「…………………………ぶっとべ」

引き金を引くと発射の音と、
その後すぐに着弾した音が響いた。