幼馴染み【3Z 沖田】 ページ8
小さい頃からいつも一緒。
近所の公園でおままごとをして、鬼ごっこをして。
同じ小学校、同じ中学校、高校へと一緒に通って。どんな瞬間もいつも"ソイツ"は居た。
幼馴染み。
カッコ良くて何でも出来る総悟。
周りからは羨ましいだ何だと言われるが…実際は劣等感の塊だったりする。
「総悟」
学校帰り、いつもの帰り道。同じように毎日隣を歩く幼馴染みに私は声をかける。ずっと一緒だったから今更会話の内容になんて悩む必要ないのに…私はいつも総悟と何を話せば良いのか分からない。
いつからこうなったのだろうか…一番近いと思っていた存在が遠くなったのはいつからか。本当にいつの間にか総悟は私から遠い遠い存在になってしまった。
元から顔は良かったと思う。性格はちょっと微妙。成長するにつれて周りから注目を浴び始めたのはやっぱり顔が主な原因。我が幼馴染み様は世間的には大層カッコ良いらしくて。
(私は見慣れたけどなぁ)
イマイチ自分には分からない感覚だけど、それに気付いてからは総悟の隣を歩くのが恥ずかしくなった。
「何でィ」
私の声に目を向けた総悟は耳からイヤホンを外して首を傾げる。きっと皆はこんな些細な一動にもときめいてしまうのだろう。私は「はい」と鞄からある物を取り出して渡した。
「A組の子から。総悟に渡してって」
「…またかィ」
「またかと思うなら自分で受け取ってよ。私は郵便局じゃないの」
「知ってらァ」
総悟は私から手紙、もといラブレターを受け取ると無造作に鞄に突っ込んだ。私はいつも総悟宛のラブレターを届ける係、総悟はいつもちゃんと読んでいるのだろうか。たまに「ちゃんと届けてくれた!?」と鬼LINEがあるのだが。
「ちゃんと読んであげてよ?」
一応の念押し。
「読むわきゃねーだろィ」
ハイ、即答。やっぱ読んでないんだ。当たり前のように放たれた言葉に頭を抱えたくなるが、コイツのこういう所は生まれつき。今更言っても仕方ない。取り敢えずは「何で読んであげないの?」と子供を諭すように言ってみる。
「自分の力で叶えようとしねェ奴の手紙なんざ読むだけ時間の無駄だろィ。他人にキューピット願い出てんじゃねーよ雌豚」
「…それ絶対外で言わないでよ?」
「俺ァ自分に正直なタチなんでィ」
言う事に一理も二理もあるとは思うけど…せっかく頑張って書いてくれた手紙の行く末を思うと、素直に総悟の言葉に頷けない自分が居た。
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月ヶ瀬ましろ(プロフ) - 詩織さん» コメントありがとうございます!内容によってはお待ちして頂く事になりますが受け付けておりますよ(^-^)/ (2017年7月12日 21時) (レス) id: b30e496864 (このIDを非表示/違反報告)
詩織 - リクエストって、今も受け付けてますか? (2017年7月12日 17時) (レス) id: e1eb8c8d20 (このIDを非表示/違反報告)
lying doll(プロフ) - みかづきさん» ありがとうございます(´∀`*)了解致しました〜 (2016年8月29日 11時) (レス) id: 9b1d9c93d0 (このIDを非表示/違反報告)
みかづき - リクエストよろしいでしょうか?「嘘嫁」の番外編が見たいです。 (2016年8月29日 9時) (レス) id: 9bc726f217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月ヶ瀬ましろ | 作成日時:2016年8月28日 19時