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坂田とK点超え。その後【坂田・土方】 ページ44

坂田と超える2回目のK点の意味について。
今回もお題は財布様から頂きました。いつもありがとうございます！

他の参加者様が書かれたものもエモがすごいので、是非占ツク内から見つけて頂きたい…！

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好きな人がいる。
私はその人のことがこの世でとてつもなく好きで、好きで好きで堪らなくて、どうしようもないぐらいに好きで。その人のことがどうしても欲しい。
あまつさえ、一緒に死んでしまいたいと思うほどに。

＊＊＊


雨が降っていた。
十四郎さんと出会ったあの日と同じ、ざぁざぁと地面に叩きつけられるような雨の音が響いている。
私はビニール傘片手に家までの道を歩く。
傘を持っていても持っていなくても、あの日のように十四郎さんと出会えることはない。十四郎さんが私を見つけてくれるとは、思えなかった。

あれから、私は十四郎さんと会えていない。
坂田さんの言葉があって、私は私のまま十四郎さんに好きになって欲しいと思っていたけど、そもそも私はもう十四郎さんが最後に見た私とは違う。
たった一度、坂田さんの手を振り解かなかっただけ。
たったそれだけのことなのに、天と地がひっくり返ってしまうほどに変わってしまった。
私はもう、十四郎さんが好きになってくれるような女じゃなくなってしまったのだ。

あぁ、どうしよう。
十四郎さんがいない人生に何の意味があるのだろう。

目を閉じれば簡単に十四郎さんの顔が浮かぶ。
雨の音の狭間で十四郎さんの声が聞こえる。
私の中には十四郎さんが常に付き纏っていて、私を蝕んでいく。

会いたい、会いたくない、会いたい、会いたい、会いたくない、会いたい、寂しい。

ふと、どこかで見たような流水紋が視界に入った。
傘を上げて視界を上に向かわせると、そこには坂田さんがいた。
パチンコ屋の軒先、傘がない彼はそこで雨宿りをしているようだった。
坂田さんはすぐに私に気付いたようで「おー、ビッチちゃん」と言ってひらひらと手を振った。

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