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言い訳だろ、坂田はそう言ってお椀を置くと真っ直ぐに私を見つめた。銀色の隙間から見える紅が鈍く光っては私を映している、こういう見透かすような感じが苦手だ。
押し黙る私に坂田は追い討ちのように言葉を続けた。
「じゃあ、この前の返事は決まったか？」
「この前って…いつの」
「いつでも良いわ、内容ぜんぶ一緒だし」
坂田はそう言って口角を上げてニヤリと笑った。奴の言う返事とは、まあ私が坂田と付き合うか否かという話。高杉くんとあの子が付き合い出してから坂田は度々私を飲みに誘っては交際を申し込んでくるのが通例となっていた。その返事については未だ一度も返してはいない。
奴はその事を言っていた。
「…何で私なの」
「あ？」
「他に居るでしょ、ほら営業課の猿飛さんとか受付の志村さん。綺麗だし仲も良いんでしょう？それで何で私なワケ」
坂田と私は課は同じだし同僚でもあるけれど仲は良く"無かった"。仕事の上での会話はあれどプライベートはおろか飲みに行くことだって無かったのだ。
それがこうなったのは高杉くんとあの子が付き合い出してから。「この後どう？」と残業終わりに連れて行かれた汚い居酒屋で「付き合わねェ？」と言われたのが初めて彼と仕事以外の話をした時だ。
「私にはアンタが何考えてんのか分かんないわ」
「何って…俺はお前のこと考えてるだけだけど」
「そういう言葉で絆されるような女じゃないし」
「分かってら」
そこで会話を止めると私は食べ終わった食器の乗ったトレーを持って立ち上がった。いまだ食べ続ける坂田は私を見上げて一言「今日も飲みに行かね？」と。私は彼の目を見ないまま「行く」とだけ答えてその場を後にした。
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月ヶ瀬ましろ(プロフ) - 詩織さん» コメントありがとうございます！内容によってはお待ちして頂く事になりますが受け付けておりますよ(^-^)/ (2017年7月12日 21時) (
レス) id: b30e496864 (このIDを非表示/違反報告)
詩織 - リクエストって、今も受け付けてますか？ (2017年7月12日 17時) (レス) id: e1eb8c8d20 (このIDを非表示/違反報告)
lying doll(プロフ) - みかづきさん» ありがとうございます(´∀｀*)了解致しました〜 (2016年8月29日 11時) (レス) id: 9b1d9c93d0 (このIDを非表示/違反報告)
みかづき - リクエストよろしいでしょうか？「嘘嫁」の番外編が見たいです。 (2016年8月29日 9時) (レス) id: 9bc726f217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月ヶ瀬ましろ | 作成日時：2016年8月28日 19時
