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時は少し遡り、ピアスを貰った直後の話だ。
｢そのピアスなんだけど…。｣
母さんに貰ったピアスの話かなんて思えばAは首を傾げた。
『……うん？』
母｢そのピアス、昔市場で買ったものなの。｣
『へぇ…初めて聞いた。』
そんな代物だったのかと思うと鏡に映るピアスに目をやる。
｢そのピアスって魔法が掛けてあるらしいの。｣
『魔法？』
｢そう、魔法専門の雑貨屋さんで見つけたものだったんだけど。まぁ、おまじない程度だと思うけどね。良くお土産屋さんに売ってるでしょ、金運upみたいな。そんな感じだと思うの〜｣
『あー売ってるね。…それでこのピアスは、どーゆおまじないが掛かってるの？』
よく見かけるなぁーなんて思えばAは母の思い出の品なので興味津々で首を傾げた。
｢恋が叶うおまじないよ。｣
Aは母親の言葉にきょとんとして瞬きをした。
｢そのピアスを落とした事がきっかけで父さんと出会ったんだけどね〜。｣
『…あっそう。』
｢えぇ！！興味無いの！？｣
『もう、子供じゃないんだから。』
母さんはAの言葉を聞くとつまんなーいと頬を膨らましていた。
｢あっじゃあこのお話ならAも食いつくと思うわ。貴女もお花好きだものね。このお花サンビタリアっていう名前なんだけど。｣
『えっ向日葵じゃないの？』
向日葵だと思い込んでいたと思いながら母さんの話に食い付いた。
｢似てるわよね〜。実物のサンビタリアはそのピアスくらいの小さい花なのよ。｣
『へぇ〜初めて聞いた。』
｢それで、そのサンビタリアの花言葉が『私を見つめて』なの｣
『私を見つめて…か。』
ふと、カリムの顔が浮かんだ。
｢あらあら〜私を見つめて欲しい人でも居るのかしら〜。｣
母さんはニヤニヤしながらこちらを見てくる。Aはハッとして顔を逸らした。
『…そんな人いない。もうっ宴が始まっちゃうから早く行こう。』
そういうと母さんの背中を押してAは部屋から出ようとした。
｢はいはい。｣
ふふっと笑っている母さんを横目にAはふと考えた。
私を見つめて。
結ばれなくてもいい、気持ちが届かなくてもいい、ただこのピアスをしてる時だけは…私を見つめて欲しい…なんて。
馬鹿みたいだ。
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絵 - 最高すぎです！ (2021年11月21日 8時) (
レス) @page28 id: a4d316c6c5 (このIDを非表示/違反報告)
蝶華(プロフ) - 桜奈さん» コメントありがとうございます。ジャミルは絶対に妹の幸せより先に自分の自由を考えるかなと思ってこうなりました（笑） (2021年9月6日 23時) (レス) id: f76049d4a6 (このIDを非表示/違反報告)
桜奈(プロフ) - 最後の妹がカリムと結婚したらカリムから離れられなくなるって‥そっちかい！って突っ込んでしまいました笑 (2021年9月4日 22時) (レス) id: d4cad16a17 (このIDを非表示/違反報告)
蝶華(プロフ) - maさん» わーお返事遅くなってごめんなさい。嬉しいです、ありがとうございます。頑張って続き書きますね！！ (2021年6月28日 15時) (レス) id: f76049d4a6 (このIDを非表示/違反報告)
ma(プロフ) - ほんとに好きです (2021年6月8日 14時) (レス) id: ac97d1e26e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蝶華 | 作成日時：2021年4月27日 21時
