114 ページ18
.
「あ?」
「失せろ」
『(おっと…)』
「いやぁ冴くん!ここには慣れたかな?」
睨み合う両者。
そこに媚を含んだような声で近づいてきた会長が話しかけたことで2人ともそちらに視線をずらした。
しかし、冴にとってはJFUの会長なんてどうでもいいのか華麗に無視を決めている。
腕を引かれて少し離れた場所へ連れて行かれた。
「なんでAがここにいる?あのデブか?」
『デッデブ?』
「会長だ」
ここにきて冴のお口がより悪くなっているような……
『不乱蔦会長に呼び出されてJFUの本部に行ったの。それで、ちょっと色々あって…ここに来ることになって』
「チッあのオッサン…」
何度も言うが、冴の顔は相変わらず怖い。
わたしだってできれば、目立ちたくなかった。
だって今も楽しそうにこっちに歩いてくる人が、
『あ、』
「あーやっぱ君、帝襟Aちゃんだよね?天才ちゃんの専属!」
「なんだ、士道じゃなくて
愛空さんと閃堂さんの登場で冴がより険しい顔をしたのは言うまでもない。
閃堂さんの“冴の女”発言はあえて無視しよう。
『はじめまして。帝襟Aです。彼の専属は“元”です。今はブルーロックにいるので』
「ああ、そうだった!」
「てめぇ…俺にグラビアアイドルと結婚だどーの言ってる癖に自分も女連れてるじゃねーか!しかも、こんなに可愛い子が専属だぁ!?」
『グラビアアイドルと結婚…?』
「お前の脳はそういうことしか頭にねぇのか?めでてぇな」
「ああ!?」
多分、この2人いつもこんな感じなんだろうなと雰囲気で悟ってしまう。
冴のツーンとした態度に閃堂さんの怒りが爆発しようかという時、愛空さんが割って入った。
「落ち着けって閃堂。ごめんね?専属ちゃん」
『いえ…(“専属ちゃん”ってわたしのことだよね…)』
「オリヴァ・愛空だ。U-20日本代表の主将を務めている。お手柔らかに頼むよ」
と右手を差し出されたので、わたしも手を出そうとした。
パシッ
『あっ』
「あれ?天才ちゃん、いつからこの子ボディーガードになったの?」
冴に弾かれた手をプラプラとさせながら愛空さんは楽しそうに言い放つ。
「余計なことはするな。行くぞ」
『ちょっと冴!?っすみません。愛空さん、閃堂さん…失礼します』
軽く会釈をして冴の後を追いかけた。
「閃堂…いつまで専属ちゃんのこと見てんの?」
「なぁ!?」
639人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もふ - 最初からここまで夢中になるくらい引き込まれてました!最高です....!!続きが気になります....!最近ハマり初めて一気に好きになりました!最新話楽しみにしております! (4月25日 22時) (レス) @page19 id: 8a745f9241 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - アサリさん» コメントありがとうございます(^^)最新話も早速読んでいただけて嬉しいです。落ちは実はまだ未定なのです…。初恋は糸師冴と冴メインのお話が続いていますが、わたしもまだ迷っているところなので楽しみにお待ちいただけると嬉しいです! (5月27日 0時) (レス) id: 5e3b7e37d3 (このIDを非表示/違反報告)
アサリ - 新しく出たのも最高です。続きを楽しみにしています。 (5月25日 19時) (レス) id: af09d471c0 (このIDを非表示/違反報告)
アサリ - もう一つ質問ですけど、この小説の主人公の初恋の相手は誰ですか?無理に答えなくてもいいですよ。 (5月25日 17時) (レス) id: af09d471c0 (このIDを非表示/違反報告)
アサリ - この小説は最高です。続きを楽しみにしています。あと、質問ですけど、この小説の主人公の落ちは誰ですか?無理に答えなくてもいいですよ (5月25日 5時) (レス) id: af09d471c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆず | 作成日時:2023年5月4日 14時