108 ページ12
.
「ねぇ、A。ちょっと聞きたいことあるんだけど、いい？」
『んー？どうしたの？凪くん』
「Aって凛が好きなの？」
『ゴホッ、ん！？』
唐突な質問に飲んでいた水を吹き出しそうになった。
『え、急になに？』
「Aの特別っぽいことみんなが言ってたから」
彼は“不機嫌です”とも言わんばかりにお口をミッフィーにしている。
“みんな”とは…？
『“みんな”って誰？』
「あー…“みんな”ではないけど」
『だから誰！？』
「んー、いっぱい？」
あ、これ思い出すの面倒くさいって思ってるやつだ…。
面倒くさそうな、気怠そうな時の凪くんの顔はもう覚えた。
“特別”というのは凛と幼なじみであることを言っているのだろうか。
それとも恋愛関係にあるのかどうか…。
『幼なじみだから“特別”って意味では合ってるかも知れないけど、みんなが考えてる関係ではないよ？』
わたしが冴の専属マネージャー兼トレーナーとしてスペインで共にクラブに所属していたと明かされた後、それに関して声を掛けて来た選手は何名かいたので
多分、それは凪くんの耳にも入ってる。
「じゃあ、それは糸師冴も？」
凪くんの言葉に息を呑む。
正直、凪くんは恋愛関係の話には疎そうだ。
となると、思い当たる人物が1人
『……玲王くんに聞いたの？』
ちゃんと話をした訳ではないけれど、冴とわたしの間で何かがあったと知っているのは彼だけだ。
「…何それ。レオには何か話したの」
『え、いや大したことは話してないけど…』
「何話したの」
『…大したことじゃないってば』
「大したことじゃないなら俺にも話せるよね？」
『えぇー……』
「俺だってAのこと、ちゃんと知りたいんだけど」
先ほどの面倒くさそうな顔から一変。
凪くんは真剣そうにする。
(サッカー以外で凪くんのこんな表情を見たのは初めてかも知れない…)
『凪くんはさ、“幼なじみ”とかっている？』
「幼なじみ？」
『うん』
「特にはいないかな…。俺、友だちもそんないないし。なんか人間関係とかって面倒くさくない？」
凪くんの答えに苦笑いする。
これは聞く相手を間違えたな……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 639人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もふ - 最初からここまで夢中になるくらい引き込まれてました！最高です....！！続きが気になります....！最近ハマり初めて一気に好きになりました！最新話楽しみにしております！ (4月25日 22時) (
レス) @page19 id: 8a745f9241 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - アサリさん» コメントありがとうございます(^^)最新話も早速読んでいただけて嬉しいです。落ちは実はまだ未定なのです…。初恋は糸師冴と冴メインのお話が続いていますが、わたしもまだ迷っているところなので楽しみにお待ちいただけると嬉しいです！ (5月27日 0時) (レス) id: 5e3b7e37d3 (このIDを非表示/違反報告)
アサリ - 新しく出たのも最高です。続きを楽しみにしています。 (5月25日 19時) (レス) id: af09d471c0 (このIDを非表示/違反報告)
アサリ - もう一つ質問ですけど、この小説の主人公の初恋の相手は誰ですか？無理に答えなくてもいいですよ。 (5月25日 17時) (レス) id: af09d471c0 (このIDを非表示/違反報告)
アサリ - この小説は最高です。続きを楽しみにしています。あと、質問ですけど、この小説の主人公の落ちは誰ですか？無理に答えなくてもいいですよ (5月25日 5時) (レス) id: af09d471c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆず | 作成日時：2023年5月4日 14時
