感謝と混乱 ページ16
テヒョン君はまだソジュン先生と二人での話があるみたいで連れてかれた。
私はテヒョン君を階段まで見送った。
ナムジュン「君、Aだよね?」
A「あ、はい。」
ナムジュン先輩が頭を下げた。
ナムジュン「A…ありがとう。」
A「え、いや、そんな!顔上げてください!」
ナムジュン先輩は苦笑いを浮かべながら顔を上げた。
すらっと身長が高くて顔が小さい。
まるでモデルだ。
ナムジュン「本当に…あいつは昔から変わらなくてね…でも事故のせいで1回記憶をなくした時は大変だった。」
事故のせいで記憶を?
_キーーーーン.
その時ものすごい耳鳴りがした。
__A!A!起きてよ!
_テヒョン!A!
_おかあ…さん…
私は耳を抑えその場にしゃがみこんでしまう。
何これ…
なんなの…。
お母さん?
テヒョン君…?
私…?
ナムジュン「、大丈夫?どうしたの?」
ナムジュン先輩が心配してくれる。
しばらくすると耳なりが止んだ。
A「すみません…なんか耳鳴りが…。」
ナムジュン「そっか…」
怖い。
私、韓国に来てから…
ううん、テヒョン君に出会ってからどうしちゃったの?
何か異変が起きてるのは確かだ。
A「その…テヒョン君が記憶をなくしたって…。」
ナムジュン「あぁ…なんだ、あいつの事だからてっきり話したのかと。 俺がアメリカに住んでた頃で…あいつが7歳の頃か… キャンプだか何だかに遅れて行く途中 落石が車に直撃して 車が崖から落ちたんだ。 それで…確か…うん、俺は離れてたから話に聞いただけだけど、女の子が1人とその後の母親が1人乗ってて…女の子の母親があとから来た落石から テヒョンと女の子を庇って亡くなったらしいんだ。」
_落石から… 庇って?
それじゃまるで…
私のお母さんと一緒じゃない。
でもあれは確か旅行に行く途中で…
あれ?
…旅行になんか行ったっけ?
私…
お母さんって…誰の事言ってるんだろ。
思い出せない。
どうしよう。
なんで…居ないことが当たり前になってた。
でも私、顔もわからないし
声もわからないし
何でいなくなっちゃったのかも
思い出もない。
ナムジュン「ねぇ本当に大丈夫…?
顔色が悪い…確かに気分が悪い話だったよね。ごめん。保健室行く?」
A「…いえ…大丈夫です。」
私は頭を抑えたまま教室へ戻った。
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作者名:たんぐん | 作成日時:2019年8月26日 22時