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あつい ページ28

暗い暗い夜道をAちゃんと歩く。


さっきまでいた冷房キンキンの部屋とは違って、夏独特のまとわりつくような熱気。


今日も熱帯夜になりそうだな。


俺自身、歩いているだけなのにも関わらず、汗をかいてTシャツはびしょびしょ。



対して隣をスキップしているAちゃんは、なんだか涼しげで、

少しだけAちゃんの周りは神の加護によって涼しいのでは、と考えたりしてみる。


だって汗一粒かいてないんだ。



それに俺の従兄弟、9個下のガキは夜を怖がって俺にしがみついてくるのに

Aちゃんはしがみつくなんて愚か、さも花畑を進んでいるように楽しそう。


小さい子って…夜が怖いんじゃないの?



(赤葦)「怖くないの?」


『なにが?』


(赤葦)「夜、暗いでしょ?」


『こわくないよ!だっておてんとさまがね、ねてるだけだもん!』



なるほど。


昼間は神様が開眼している、夜は閉眼している。


そういう教えを説いている訳だ。


おてんとさま、という所も愛らしい。



歩くこと10分。

暗い夜道に浮き彫りになった明るい光。

やっと着いた、と店内に入ると冷気に包まれた。



『すずし〜!』



汗が少しずつ引く感覚を覚えながら、それぞれの注文の品をカゴに入れていく。



「Aちゃんも欲しいものある?」


『いいの?』


「うん、お使い頑張ってくれてるから。」



するとすこし小走りで向かったのはスイーツのエリア。



『これ、おねがいします!』


「わかりました。」



小さなお手手で差し出してきたのは、少し小ぶりなショートケーキで。


流石女の子だ。


会計を済ませ、片手に大荷物を持って外に出と感じる暑さ。



やっぱ暑いな。



『…Aももちます!』


「重いから大丈夫だよ。」


『でもけいじくんたいへんそう、もちます!』



まだ覚えたてであろう敬語で袖を掴んできて。



「…じゃあ俺の右手持っててもらっていい?」


『?』


「俺がはぐれないように、お手伝いしてくれない?」



空いてる右手を差し出すと、おずおずと小さな手を絡めてくる。



ぶっちゃけはぐれるのは絶対俺じゃない、Aちゃんだけど。


でもお手伝いって言った方がいいかなって思ったから。



2人で手を繋いで、色々話して。


少し距離が近くなった気がする。



こんな暑い時にパシリなんて勘弁してくれ、っていつもなら考えているだろうけど。


まぁ、Aちゃんと話せてよかったかな。

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設定タグ:HQ , 月島蛍 ,   
作品ジャンル:アニメ
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- 3歳なの?4歳なの?曖昧なのか? (2022年8月17日 14時) (レス) @page49 id: 1c759860fa (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - これからどうやって仲直りするのかドキドキです! 楽しみにしています (2020年8月23日 13時) (レス) id: a187e33be6 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - すごく泣きそうになりました。涙腺よわくなったのかな、、ありがとうございます頑張ってください!! (2020年8月20日 23時) (レス) id: e043872dfc (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 妹ものの作品を月島くんだけじゃなくて及川さんとかで書いていただけるとうれしいです! (2020年8月16日 22時) (レス) id: ecbf6df878 (このIDを非表示/違反報告)
アル - 続きが気になります!更新頑張って下さい!! (2020年8月7日 20時) (レス) id: 14f18f48ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年5月27日 18時

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