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その美容院は私が大学生の頃、それもまだ行きつけの美容院なんてない時。
適当に入った美容院の美容師にカットを失敗されたものだから、涙目になって飛び込んだ美容院だった。
自慢の髪だったから失敗されたショックもすごくて、涙目で「何とかしてください」と懇願する私に、担当の人は「何とかします」と断言してくれて。
私の髪は失敗されたことなんて忘れるくらいのクオリティに仕上げられていたから、それからずっとここが行きつけ。
一ヶ月に一回、髪のメンテナスとして通っていて、美容師とも連絡先を交換するくらい仲良くなった。
半年ぶりくらいに会った行きつけの美容師さんは、暖かく迎え入れてくれて。
「どれくらい切るつもりで来た？」
鏡越しに目を合わせた美容師さんに尋ねられて、少し口ごもる。
私は自分の髪にはうるさくて、妊娠中でも優來が産まれても、どんなに忙しくてもケアは怠らなかった。
おかげで痛むことなく、艶やかな茶髪。
美容師さんが毎回切るの勿体ないねと言ってくれる、そんな自慢の髪だから。
美容師さんは私のオーダーを聞くと、にっこり笑って。
「任せてください、可愛くするね」と私の髪をクシで掬いとった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「ただいま」
半日ぶりの家に、紙袋をひとつ持って帰宅する。
リビングに入ると京治はコーヒーをソファーで飲んでいて、私を見て目を丸くした。
「優來は？」
「泣き疲れて寝てる、バッサリいったね」
「でしょう？」
いつもの癖で垂れる髪を肩にかけ直そうとするけど、ボブになった髪はかけ直す必要がなくて、私の手はスっと空を切った。
頭が軽くなった気がして、まだまだロングだった頃の感触から慣れない。
「何センチ切ったの？」
「36センチくらい」
切った36センチもの髪は、ヘアドネーションとして寄付をした。
京治はまだ驚いているようだけど、私の髪を少し手で撫でたあと、「似合ってる」と微笑む。
その言葉に少しばかりの変だったらどうしようという不安感が吹き飛んで、自慢げに京治に「ふふっ」と微笑んでみせた。
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絢 - 蒼さん» いつもありがとうございます。一話目の件なのですが、確認したところ蒼さんの言う通り非公開になっていました…。こちらの不手際です…すみません。 (2021年6月15日 8時) (
レス) id: 0871b431d8 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - このお話面白くて大好きです…！！その、質問なのですが1話目の始まりってこれであっているのでしょうか、、�気�未公開になっているような気がして…間違ってたらごめんなさい。 (2021年6月14日 17時) (レス) id: 28b65fe11b (このIDを非表示/違反報告)
絢(プロフ) - ことりさん» いつも応援ありがとうございます。私も2匹の大怪獣を育てていますので、日々奮闘する毎日です(笑)そんな子育てのちょっと笑えたり、どうしても辛かったり、そんなリアルをお届けしたいと考えています。お互い世知辛い世の中ですが、頑張りましょう…！ (2021年2月18日 7時) (レス) id: 2021c6a537 (このIDを非表示/違反報告)
ことり(プロフ) - こういうの待ってました…！！私も子育てに奮闘しながら合間に夢小説に癒されている毎日なので…笑 お相手が推しで子育て物だなんて多分読んでる途中に泣く気がします。笑 ツッキーの妹からずっと応援しています！これからも楽しみにしています。 (2021年2月17日 8時) (レス) id: 676d79dd2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絢 | 作成日時：2021年2月17日 7時
