少女 ページ6
「ﾁｯ」
男は空になった部屋を見て舌打ちを零した
わかっていたはずだった
"彼女"が手に入らないことぐらい
"少女"が再び逃げ出すことぐらい
…それでも
「僕は信じてみたかったんだよ」
机の上に置かれた手紙にそっと触れる
大人の彼女より少しだけ拙い少女の字
「僕が君の笑顔を見ることはないのかもね」
手紙に書かれていたのはたった一言
"ごめんなさい"
という謝罪だけだった
男は手紙を握り潰し早足で部屋を出た
誰からも愛される少女は
愛を拒む少年に近づき
誰をも愛す彼女は
愛を求めた男の元を離れた
「君は本当に僕から逃げるのが上手だね」
『！』
「次は一体どこに行くんだい？」
突然現れた男に少女は怯えを隠せない
「僕は部屋から出ないように言ったはずだけど」
『どうして…』
「君の考えることなんてお見通しだよ」
男はふっと笑うと言葉を続けた
「君が向かう場所は
未来の君のお腹に宿っている命の父親のところ、でしょ？」
『!!』
「僕の中にも候補があってね」
男は
「君が慕ってるザンザスってやつとか」
候補をあげるごとに
「その部下の誰かっていう可能性もあるね」
一歩一歩ゆっくりと
「六道骸もありえない話じゃない」
少女に近づいていた
「1番可能性が高いやつのことを過去から来た君が知っているのかは疑問だけど」
『恭弥さん、？』
壁に追い詰められた少女は
目の前の男の悲しげな顔を捉えた
男は絞り出すような声で
そうでないと信じながら
憎らしい名前を吐き出した
「……"白蘭"」
『びゃく、らん、、』
男が口にした名前を復唱した瞬間
少女の頬を綺麗な涙が零れていった
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信太の狐(プロフ) - どうか続きをください… (2020年6月25日 21時) (
レス) id: 13211e3e0a (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - 前夜の名前になっていますよ！応援してます！頑張ってください！ (2020年5月1日 11時) (レス) id: 3c01cb7537 (このIDを非表示/違反報告)
詩空 - この後の展開どうなるかな？次の更新楽しみです！がんばってください！ (2018年5月8日 21時) (レス) id: 42849da78e (このIDを非表示/違反報告)
紅夜桜(プロフ) - うわ凄く続きが気になる！！ 父親誰だろう…白蘭？← とても面白くて続きが気になって夜しか眠れません！無理せず自分のペースで小説更新頑張ってください！楽しみにしています♪ヽ(´▽｀)/ (2018年4月13日 11時) (レス) id: 76ed65e459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞華 | 作成日時：2018年4月4日 16時
