《おそ松さん》お粗末な短編集

＊ゲスとクズ ページ7

「お前はAがいるだろ！！
なにしたかわかってんのか！！」

「あーわかってるにきまってんじゃん
それにお前、長男の俺に向かってなにその態度？」

そう言った瞬間カラ松兄さんが宙を舞った
兄弟の中で一番ケンカが強いのはおそ松兄さんだ
ざわざわと人が集まってきてしまった

「おそ松兄さんいったん家に帰るよ」

伸びてしまったカラ松兄さんを支えながら皆で家に帰った
ちゃぶ台を挟んでおそ松兄さんとAさんが 向かい合った

「……どうしてっ」

「お前のさ愛が重い！何なのその善人面？
悲劇のヒロインですってか？やめてほしいよね〜ほんと
そう言うとこほんと嫌い」

《お前の愛が信じられない、なにしても怒らないし
嫉妬もしない、俺みたいなのにどうして付き合ってくれるんだ》


「えっ」

エスパーニャンコの口からおそ松の本音がもれた

「え、それっておそ松さんの本音なんですか？
私の愛が信じられなかったんですね、ごめんなさい」

《私の愛が信じられない？は、当たり前じゃん愛がないんだもん
てか、ニートでなんの取り柄もないのに愛されるとでも思ってるの？》

「え、Aさん、？」

声が震える全員唖然として空気が凍りつく

「うそだよね、Aちゃん」

「っ、あはは！！あーあーばれちゃった
一松くんもうその猫要らないよ今からほんとの事しゃべるから
全部罰ゲームだったんだースタバァで見たんだよね君達の事
で、ゲームに負けたらあの中の誰かと付き合うっていう
どうだったおそ松さん、おそ松さんの好きな女の子演じてたでしょ？
でもばれちゃったから私の敗けだ
プロポーズまでいくのに掛けてたのに！残念
でもよかったねクズニートが私と付き合えて誇っていいよ」

「……うそだろ」

「ほんとだよ」

《全部ほんと、やっとクズから離れられる
ほんと嬉しいーー！！》

「ねっ！それじゃあバイバイ
もう会っても話し掛けないでね」

そう言って彼女は玄関から出て行った
予想外過ぎる

《おそ松さんが浮気しなかったら、もっとこの関係を続けていられたのに
はじめはそうだったけど、今は……》

そういった瞬間おそ松兄さんが玄関から飛び出した
全く、Aさんの本音は驚いたけど
クズな兄さんには丁度いいだろ
二人が帰ってきたら何かおごってもらわないとな

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