ぜんぶ、ぼくの。【はじめしゃちょーの畑】

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やふside

俺はちょっと女の子が苦手だと思う。

いや、気があう女友達もいるけど
なんていうか、キラキラしてるタイプの女の子というか…

でもあの日、見た目の女の子らしさとは真逆に強めのお酒を飲んでて
でも可愛い声で静かに話すそのアンバランスなギャップを見ていたくなって、気づいたら声をかけてた。

酒は怖い。
二杯目で俺の気持ちはシャンパングラスに沈んでいった。

一目惚れよりは遅くて、
俺の中では早すぎるくらいで。

好きだと言うのはきっと簡単で
振られたって構わないとすら思うのに、俺はそれを口にできず


しまいには彼女の家に上がり込んで鍋まで食べる始末。

ここで手を出すのがセオリーなのか
それとも、あっさり帰ってしまうのがいいのか

そうすることで「俺はあなたを軽く見たりしてないよ」と伝わるかもわからない。

わからないことだらけ。一番知りたいことも聞けない。


それなのに
なのに


やふ「あー思い出した思い出した、この曲あれだ、この前テレビでやってたやつ」

『そうです。ようへいさんこれいい曲だなぁっていってたので入れてみました』

やふ「…やりおるなぁ」


好きがどんどん蓄積される。

男なら、バカだから勘違いしてしまうよ、こんなことされたら。


敬語もやめてほしいし
また外に飲みにいったりもしたいし
飲まなくても、出かけたり
誕生日も知りたいし

彼氏いるのか、知りたい。


俺がここにいる時点で80%いないと思うけど
確信なんてない。



そもそも年下の彼女の恋愛対象に入るのだろうか。


悶々と考えていても仕方ないけど

今はまだこのままで、



この半径40cmのテーブルの距離でいたい。



それからの話は、シャンパングラスを傾けた時に。





よわい。［やふへゐ先生］end.

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