女版。31 ページ32
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まふまふside
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7時半を過ぎ、もう少しで配信が始まる頃。
生放送の準備も終えて待機していたが、まだAちゃんがきていない。
「…A、遅くないか?」
うらたさんが心配そうにそう言うと、僕含め、みんなが一斉に頷いた。
「変な人に捕まってたりしーひんよね…?」
「あいつ、見た目普通に美人だもんな。」
うらたさんの発言にさかたんもそらるさんも便乗し始め、僕らの間に不穏な空気が漂う。
大丈夫だと、信じたいけど…。
「取り敢えずマンション周り見てみます?迷ってるかもしれないし…。」
またまた僕の言葉に一斉に頷いたみんな。
そうしてマンションを出て少し歩くと、僕らの悪い想像通り、Aちゃんは男に腕を引っ張られていた。
「や、やばい!早く行かなきゃっ!!」
ばっ と彼女の元へ4人が走り出した途端、僕らの目に移ったのは、
ガッ
「っいっでぇぇぇぇっ!!!!」
「「「「えっ」」」」
蹲る男と、その前で困ったようにそいつを見てるAちゃん。
今、確かに、彼女が男の急所を蹴っていたと、思うんだけど…?
どういうこと?!
「Aちゃん?!」
思わず固まってしまった体を無理やり動かし、Aちゃんの元へ行くと、驚いた様子でいた。
いや僕らの方がびっくりしたけどね?!
「あっ!まふくん!みんなもいたの?!」
「いやいや!!そんなことよりお前今何したの!」
うらたさんもびっくりして頭が追いついてないようだ。
うん、わかるよその気持ち。
「えっ?
あぁ、この人に腕引っ張られたから、正当防衛したんです。
私、一度高校生の時におじさんにおそわれかけたことがあって、それ以来護身術習ってたので。今はやってないけど。」
はぁ、びっくりした、なんて平然というAちゃんに、また固まる僕ら。
高校生時の話にも驚きだし、それを淡々と話すAちゃんのメンタルの強さにまた驚いた。
でも僕は気付いちゃったんだ。
Aちゃんの手が、指先が、震えていること。
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藍色の風 - コメント欄失礼します!女版。10(ページ11)のところ、誤字ってますよ!妄想感傷代償ではなく、妄想感傷代償連盟ですよ! (2019年1月11日 23時) (レス) id: 46fd2a813a (このIDを非表示/違反報告)
轟厨 - 誤字ってますよ! (2018年7月30日 2時) (レス) id: 6e2e45da36 (このIDを非表示/違反報告)
をんぬ(プロフ) - いちご飴さん» 初めまして!コメントありがとうございます!そうなんですか!歌い手さん、憧れますよね〜!ありがとうございます、更新頑張ります! (2017年12月17日 2時) (レス) id: 813ed47718 (このIDを非表示/違反報告)
いちご飴(プロフ) - ふおおお!!めっちゃ面白いです!!私歌い手さん(特にまふまふさん)が大好きで…。私歌い手をしようと考えてて、この小説読んでたらニヤけが止まらなくて…!!更新頑張ってくださいね! (2017年12月17日 0時) (レス) id: e995f3fc57 (このIDを非表示/違反報告)
をんぬ(プロフ) - 現実逃避者=RENさん» はじめまして! めっちゃ褒め倒しじゃないですか…嬉しいです照れますw 更新速度結構気にしてたので、そう言ってもらえて嬉しいです!ありがとうございます!頑張ります! (2017年12月10日 15時) (レス) id: 813ed47718 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:をんぬ | 作成日時:2017年12月9日 16時