外恋慕【 sh × sm 】 (ページ26)

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・《 sm side 》ページ26

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出張の合間に、時間ができた。
Aと会わない日が続くと不安も募る。
だから、１時間だけ。……１時間だけでもいいから会いたかった。

「……A！」
「しんたろ、お疲れ」
「あー会いたかった」
「……うん、」

抱き締めたら、香った。
俺でもない、Aでもない、違う匂い。
俺の勘って当たるんだよ。

「紫耀に会った？」
「……え、」
「やっぱり、」
「違う、たまたま、」
「いいよ、……別に何もないでしょ？」
「……うん、……何もない」

昔から嘘をつくと目が合わなくなる。
その癖は俺だけが知ってると思ってた。
……何もない、？……何かあったからそんな顔してんでしょ。
俺が分かんないと思ってんの？
Aの頭の中、心の中、全てに住み着くあいつに
いつだって嫉妬した。いつだって紫耀になりたかった。

「Aは俺に会いたかった？」
「会いたかったよ」
「連絡くれなかったくせに？」
「だって、仕事大変だと思って、」
「ふはっ、嘘だよ、ごめん」
「ばか、」

消えない。消えないんだよ、俺が嫌いな匂いが。
信じたいのに、連れ去られていくAの手を、
繋ぎ止めておける何かを、俺は必死に探してた。

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