月光の甘いひと時 【狂い月】

まっかっか ページ32

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ロビーの大広間へ向かった私と満。

　
乱雑に置かれた紙から、キレイな字が目に映った。



　
　
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変なものなら、拾ってこないでよ。

一応、翻訳してみたけどさ……
あんまり役に立つような内容だとは思えなかったけどね。


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その書き置きと共に、挟んであった資料を手に取った。


　
貴「 ホウホウ…て、全然分かんないんだけど」


満「 調査報告書、研究や検証結果を報告する資料って事。」


　
貴「 なるほど…でも、1って書いてあるから2もあるのかな？」


満「 さぁ…見つけ次第 響也に任せる事にして…ひとまず、どんな内容か確認しよう。」



　

　
　
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調査報告書1



　

〜調査報告書・1〜

著:ヴァレリオ・モンレオーネ



　



9月15日

古来から教会で保管していた魔術書が

悪魔崇拝者により盗まれてしまった。

あの本は多大な知恵を与えるが、

それと同時に人を惑わす禁忌の本だと言う。

犯人の一味である男が日本にいるとの

情報を得、捕える事に成功したが、

『黄金の書』はある日本人に渡したとのこと。

あれは表に出てはいけない代物…早く回収せねば。




　


　
11月8日


例の日本人が住んでいたという屋敷に着いた。

ここで起きた事件が気がかりだったが、

不穏な空気は感じられない。

教会の働きにより、

警察による捜査は打ち切られたため、

余計な手を加えられずに私も調査が出来るが、

この屋敷の広さでは時間がかかるかもしれない。

それに、厨房で『青い日誌』を見つけたが、

日本語がまだ不慣れな私には大変だ。

だが、これも貴重な任務……

本の回収に努めなければ。



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満は資料から目を離した。


　


　
満「 青い日誌か、どこかで見たような…」



貴「 日誌ってその資料に書いてあった？」


満「 あぁ、もしこのモンレオーネと言う人が
まだ訳せてないのなら。この屋敷のどこかに……。」




　
貴「 ……っ」
　




　



バリンッッッ



　
　
　
ガラスの割れるような、鈍い音が響き渡った。



　
満「 ……A…？」


　
振り向いた矢先に見えたのは、割れた花瓶と
右手が真っ赤に染まったAだった。

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