6話 ページ7
『ねえ髭切』
鴉の後を追いかけながら道を歩く。
馬で行こうとしたが歩ける距離だと鴉さんが言うし、馬も休馬にして休ませたかった。
「どうしたんだい主」
『鬼は、本当にいるの?』
どたばたとしていてなかなか聞けなかったことを髭切に聞く。
「うん、いるよ」
『そうかぁ…』
「人を食べるよ」
『食べるのかぁ…』
いるのかぁ。食べるのかぁ。世の中も歴史修正主義者がいたり鬼がいたり食べられたり大変だな。
「僕がこの世に打たれたとき…いや、それよりも前からずっといるんだ、鬼はね」
『……髭切?』
初めて見た髭切の表情だった。
悲しそうな、苦しいような、普段のほわほわしている髭切とは似ても似つかない。
『ごめんなさい、嫌なことでも思い出した?』
大抵のことはどうでもいいといつも言っている彼でも、やはり忘れられない触れられたくないことがあったのかもしれない。
焦りながら謝罪を口にすると彼はいつもの調子で「別に?何故謝るの?」と笑った。
『初めて、あなたのそんな表情を見たから』
うーん、と彼は先ほどとは違い、困ったように笑うと鬼はね、と続けた。
「鬼は悲しい生き物なんだ」
『…随分と、鬼に思い入れがあるのね』
哀れむようなその瞳が美しくて思わず見入る。
「鬼はもともと、人なんだ」
『鬼が、人……?』
人を食う鬼がもともとは鬼というのはどういうことか。
「主、他人に嫉妬をせずにおおらかにゆったり過ごそうね…鬼になってしまうから」
そう言って彼は目を閉じる。昔を思い出しているのだろうか。詳しく話を聞きたかったが静かに目を閉じる彼の美しさがそれを阻んだのだった。
そしてたくさんの藤の花が見えてきた。
*****
前振りなっがぁぁぁい!
ぜんぜん鬼滅のキャラ出てこないじゃん!
って自分でも思ってますすいません。
大事にしたいんじゃあ……。
評価ありがとうございます、お気に入りありがとうございます…!
こんな自己満しかも前振り超長い小説を読んでいただけるなんて世の中捨てたもんじゃないな。
しっかり生きよう。
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柊(プロフ) - 江戸城産くむっぷるさん» わああありがとうございます、絶賛心が折れかかっていたので言葉が染みました…!ぜんぜん鬼滅感なくて申し訳ないです、頑張りますね! (2020年1月19日 22時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
江戸城産くむっぷる - (''界''いらなかった…すみませんんんん) (2020年1月19日 17時) (レス) id: 704c3ea7dc (このIDを非表示/違反報告)
江戸城産くむっぷる - 我こそは世界で最も心やさs(( ああああー!!とうらぶと鬼滅のクロスオーバーだああああ!凄く嬉しいです!更新頑張って下さい!!応援してます! (2020年1月19日 16時) (レス) id: 704c3ea7dc (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士Aさん» 続けて失礼します、ご指摘をくださるだけでなく応援の言葉をもくださってとても嬉しいです、歓喜の舞です!本当にありがとうございます、頭爆発させながら頑張りますね!!!!!! (2020年1月17日 19時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士Aさん» えっえっえっまって審神者としてあるまじきな間違いしてんじゃん嘘だろ私審神者辞めようかな!!!全国全世界の審神者の皆様に心よりお詫び申し上げます!!!そしてご指摘本当にありがとうございます!!!細かくて全然いいんです!ありがたいですすみませんでした!! (2020年1月17日 19時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 | 作成日時:2020年1月13日 4時