28話 ページ30
「この鬼も、元は人だったんだね」
鬼が消滅した後を見てぽつり、と寂しそうに安定はつぶやいた。
「……ヒトの感情、想いを利用されて鬼となり、ただ人肉を食らうがために生きる異形に成り果てる」
「なんて、悲しい生き物なんだろうね」
だから僕たちは
「鬼という呪縛から彼らを解放しないと」
そう言って髭切は真っ直ぐな目で御縁、刀剣男士を見た。
『……大賛成。人の想いを踏みにじる鬼舞辻も時間遡行軍も倒すためには、まずは』
ーーこの試験に合格しないとね。
御縁が言うと、刀剣男士たちは強くうなずく。
それを確認すると、御縁は髭切に向き直った。
『よしよし』
そして髭切の頭を撫でる。
「……主?」
ちょ、少し屈んでほしいな足が攣る!と震えながら必死に言うので髭切は大人しく従った。
『……いつもほわほわしてる髭切がこんなになるとはね……昔は一人で鬼切丸としてたくさん斬ってきたのだろうけど、今代は私たちがいる。だから』
一人で背負わないで。そう御縁が笑うと髭切は困ったように眉尻を下げた。
「ありゃりゃ……君には敵わないな」
「主に髭切の旦那、まだまだ始まったばっかりだぜ?感傷に浸るのは本丸に帰ってからにしねえか」
「そうですねー!僕も骨喰やいち兄にこの髭切さんの真面目な話を一刻も早く教えたいです!」
「あっいち兄にはボクから言いたい!ずお兄!」
「ってか!ずるい!俺、最近主に頭撫でてもらってないんだけど!?」
「はいはいとりあえず空気読めよ不細工」
「俺やっぱりお前のこと嫌いだわ」
重かった空気が軽いものになったのを感じると、さてと。と御縁は撫でるのをやめて前を向いた。
『すぱすぱ斬ってしまおう』
ーー人の想いを守るために。
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柊(プロフ) - 江戸城産くむっぷるさん» わああありがとうございます、絶賛心が折れかかっていたので言葉が染みました…!ぜんぜん鬼滅感なくて申し訳ないです、頑張りますね! (2020年1月19日 22時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
江戸城産くむっぷる - (''界''いらなかった…すみませんんんん) (2020年1月19日 17時) (レス) id: 704c3ea7dc (このIDを非表示/違反報告)
江戸城産くむっぷる - 我こそは世界で最も心やさs(( ああああー!!とうらぶと鬼滅のクロスオーバーだああああ!凄く嬉しいです!更新頑張って下さい!!応援してます! (2020年1月19日 16時) (レス) id: 704c3ea7dc (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士Aさん» 続けて失礼します、ご指摘をくださるだけでなく応援の言葉をもくださってとても嬉しいです、歓喜の舞です!本当にありがとうございます、頭爆発させながら頑張りますね!!!!!! (2020年1月17日 19時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士Aさん» えっえっえっまって審神者としてあるまじきな間違いしてんじゃん嘘だろ私審神者辞めようかな!!!全国全世界の審神者の皆様に心よりお詫び申し上げます!!!そしてご指摘本当にありがとうございます!!!細かくて全然いいんです!ありがたいですすみませんでした!! (2020年1月17日 19時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 | 作成日時:2020年1月13日 4時