12話 ページ13
『……友人?』
友人。…….友達。政府の人間と、政府非公認の人間が。これは、いいのか…?
「あなたは相変わらず説明が下手だね、同僚の方々に嫌われないか心配だよ」
ギユウみたいだ、と呆れながらも産屋敷は優しく呟いた。ギユウというのは鬼殺隊の隊士だろうか。
「御縁さんは、私が政府非公認の組織であるのに政府の人間の平門殿と仲が良いことに疑問を感じているんだよね…うん、まあ、友人だといえば友人なんだけれど…まずは友人の説明の前に、なぜ鬼殺隊は政府非公認なのかを教えよう。政府は今、秘密裏ではあるが時間遡行軍と闘っているだろう?」
『ええ…(闘っているのは刀剣男士だけれど)』
「そして私たち鬼殺隊は鬼と戦っている…もし鬼殺隊が政府の組織に存在していて、もしこの時間遡行軍と鬼が組んだとしたら?」
『………政府が、集中的に、潰される………』
「うん、そういうことだよ」
政府が潰されれば歴史どころか現代までもがめちゃくちゃになる。歴史は変わり、人は殺され、人は未来に繋がらなくなる……想いは、人の想いは、どうなってしまう……?
権力が政府に集中することで狙われる可能性が大幅に上がる。だから非公認という形で鬼殺隊は存在していたのだ。
『…理解しました、ご説明ありがとうございます。しかし、非公認では不自由なところがなにかと出てくるかと思います。政府の許可が必要な所への任務や資金の調達……など』
そう御縁が言うと産屋敷は機能していない目を大きく見開いた。
「これは驚いたな、鋭いね…さすがは頂兵衛殿の"優秀な"部下ということかな?」
『……忘れて頂けませんか、それ』
ちょっと無理かな、ね?あまね、とにこにこと笑うものだから何も言えない。
「そうだよ、政府の協力なしに鬼殺隊は機能しない…できるはずがないんだ」
それで!と平門が声を上げる。
「裏で俺が手回しをしているんだ!もちろんお上の許可は取ってある……だがまあ、政府が協力し始めてまだ間もないがな。産屋敷殿とはそれがきっかけで知り合い、仲良くなったんだ」
「頂兵衛殿とは先代の頃から縁があってね、歳は離れているがとても仲良くさせてもらっているんだ……私の数少ない、貴重で自慢の友人だよ」
産屋敷の顔は心の底から平門を信頼していると語っているようだった。
そんな産屋敷を見て、改めて言われると照れるな……と頬をかく平門。
あまねと御縁はふふ、と笑い合った。
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柊(プロフ) - 江戸城産くむっぷるさん» わああありがとうございます、絶賛心が折れかかっていたので言葉が染みました…!ぜんぜん鬼滅感なくて申し訳ないです、頑張りますね! (2020年1月19日 22時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
江戸城産くむっぷる - (''界''いらなかった…すみませんんんん) (2020年1月19日 17時) (レス) id: 704c3ea7dc (このIDを非表示/違反報告)
江戸城産くむっぷる - 我こそは世界で最も心やさs(( ああああー!!とうらぶと鬼滅のクロスオーバーだああああ!凄く嬉しいです!更新頑張って下さい!!応援してます! (2020年1月19日 16時) (レス) id: 704c3ea7dc (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士Aさん» 続けて失礼します、ご指摘をくださるだけでなく応援の言葉をもくださってとても嬉しいです、歓喜の舞です!本当にありがとうございます、頭爆発させながら頑張りますね!!!!!! (2020年1月17日 19時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士Aさん» えっえっえっまって審神者としてあるまじきな間違いしてんじゃん嘘だろ私審神者辞めようかな!!!全国全世界の審神者の皆様に心よりお詫び申し上げます!!!そしてご指摘本当にありがとうございます!!!細かくて全然いいんです!ありがたいですすみませんでした!! (2020年1月17日 19時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 | 作成日時:2020年1月13日 4時