山本、立ち直ったってよ。 ページ23
*
「止めにきたならムダだぜ。
お前ならオレの気持ちがわかるはずだ。」
いきなりのことで慌てるツナに山本は語りかけた。
「ダメツナって呼ばれてるお前なら、何やってもうまくいかなくて死んじまったほーがマシだって気持ち分かるだろ？」
「えっ、あの...っ
いや...山本とオレは違うから...。」
少し俯きながら言うツナの言葉を勘違いした山本は、自嘲気味に言った。
「さすが最近活躍めざましいツナ様だぜ。
オレとは違って優等生ってわけだ。」
みんなは、初めて見る山本の態度にビックリしていた。
そりゃそうだ。いつもニコニコしてたやつが、嫌味っぽい態度をとっているのだから。
「ち、ちっちがうんだ！
ダメな奴だからだよ！！」
ツナは必死に否定して、山本に本当のことを言った。
今、自分が思っていることを。
「むしろ死ぬ時になって後悔しちまうような情けない奴なんだ...。
どーせ死ぬんだったら、死ぬ気になってやっておけばよかったって、こんなことで死ぬのもったいないなって...」
ツナのその言葉は、とても説得力があった。
山本だけではなく、京子や周りの人達の心の深いところに、確かに届いた。
「だからお前の気持ちはわからない...。ごめん...。
じゃ！」
静かな場の空気に耐えれなかったのか、ツナはそそくさとその場を去ろうとした。
「待てよツナ」
が、山本がツナを呼び止めるために制服のシャツをつかんだ。
いきなりのことで、ツナはそのまま後ろに滑って転んだ。
山本のところまで。
錆びていたフェンスは簡単に壊れ、そのまま勢いよく2人は下に落ちていった。
「うわああっ！！」
「ぎゃあぁあ！！」
急いでフェンスに駆け寄る者、悲鳴をあげる者。
一気にその場のみんなに戦慄が走る。
下の方で微かに聞こえた銃弾の音とツナの荒々しい声で、2人は助かったと分かった。
みんなが助かった2人の姿を見て、山本の冗談だったんだ、と勝手に勘違いして教室に戻っていった。
私も京子と一緒に教室に戻った。
ホームルームの時間の途中に、山本はいつも通りの笑顔で、ツナは身を縮ませて教室に入ってきた。
担任にの注意を笑顔で流す山本は、私の隣に座った。
担任がホームルームの続きを始めた時、私は山本にだけ聞こえる声で、そっと呟いた。
「親より先に死のうとするなんて、とんでもない親不孝者ね。」
山本は少し驚いたあと、とびっきりの笑顔で
「そうだな！親孝行はしないとだな！」
と言った。
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まぶぴちょこ(プロフ) - 続きがとっても気になります！是非とも続きを書いてほしいです…いつまでも更新楽しみにしています (2022年4月15日 19時) (
レス) @page33 id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
アル - あれま？終わっちった？？面白い！って思いながら読んでたらいつの間にか終わってました…是非とも続きを… (2020年8月16日 1時) (レス) id: 327b6bf4ac (このIDを非表示/違反報告)
リア - あーこういうのマジで好きです。 完結しちゃってますけどもう続きは書かれないのでしょうか…それだったらとっても残念です (2019年2月19日 15時) (レス) id: 8fad14733d (このIDを非表示/違反報告)
部久(プロフ) - 展開珍しくて面白いです。更新楽しみにしてます。頑張ってください (2017年9月4日 17時) (レス) id: 0d4f3869ed (このIDを非表示/違反報告)
アリーナ - 面白いです(o>ω<o)応援します(*´∀`*)ﾉ｡+゜*｡ (2017年5月11日 14時) (レス) id: 4a32832ed1 (このIDを非表示/違反報告)
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