22.14 ページ22
「先輩ッ…私ッ…。」
泣き噦る彼女の華奢な体をそっと抱き締める。
「付き合って、くれへんか。」
Aは俺の胸の中で泣きながら何度も首を縦に振る。
あぁ、こんな幸せな事があっただろうか。
あ、俺も泣きそう。
そんな恥ずかしいところ見せられへんから鼻を啜って彼女を離す。
「じゃ、じゃあ俺行ってくるわ!…見ててな。」
「はいッ…見て、ますから…勝ってきて…。」
彼女はパーカーの裾で雑に目元を拭うと紙袋を拾い上げて泣き腫らした目のまま、笑った。
心臓が跳ねた。
「いってきます。また後でな!」
俺今絶対顔赤いわ。
隠したくて、勢い良く振り向いて駆け出す。
あぁ、口元の歪みが隠せない…!
幸せすぎる、今多分人生で1番幸せや…!
「っしゃあ!やるぞ!!」
気合いを入れる為に頬をばちんと叩いて、息を吸った。
あぁ、人生って素晴らしい!
控え室の扉を満面の笑みを浮かべて、足で開けた。
足癖が悪い彼女の真似をし続けて、ようやく丸いドアノブも開けられるようになった。
足癖悪いのどうのこうの、って、俺らは出会って、結ばれた!
_______fin.
113人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
氷菓。(プロフ) - 紅月さん» ありがとうございます!コネシマさんは好きな女性にはわりと心あると思っておりますので…! (2018年4月8日 12時) (レス) id: b88cedb558 (このIDを非表示/違反報告)
紅月 - とっても好みな小説でした!相手のことを思ってるコネシマが好きです( ˙-˙ ) (2018年4月8日 10時) (レス) id: b978a7b95f (このIDを非表示/違反報告)
拳で抵抗する桐生(プロフ) - あぁ^〜コネシマ好きぃ^〜 (2018年1月17日 9時) (レス) id: 730bab422c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:氷菓。 | 作成日時:2017年12月29日 13時