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21.近付いて ページ21

「私、先輩が好きだなって…!!」

目の前で袋を抱えて小さくなって、顔を赤くする後輩。
好き、Aが、俺の事、好き。

あぁ、俺はなにしとるんや。
言え、言えよ。

口は開いたり閉じたりを繰り返して、言葉が出てこない。

「…め、迷惑ですよね、大会途中なのにこんな…!」

「迷惑なんかやない!」

思わず大きい声が出た。
びく、と彼女は肩を揺らす。
俺も驚いた。

「め、迷惑なんかやない…すげぇ嬉しい…。」

目を逸らしてうまく言葉を紡げない俺の話にしっかりと耳を傾けてくれる。

「最初はあぁこいつすげぇな、って好奇心で追いかけてて…でも段々、ウザがられてないかとか迷惑かけてないかとか、不安になってきて…。」

なんて言えばいいかわからなくて顎に手を当てて考える。

「そんで、お前になんかあった時は、すげぇ心配になって…あ、好きなんやって気付いた。」

「先輩…。」

「あんな、俺がAにサッカー部に入って欲しいのは、近くで見守って欲しかったからやねん…上手く言えへんから、そうやって、別の方法で。

でも、駄目やな。うん。」

目の前の彼女はぼろぼろと涙をこぼしている。
そんな彼女の手を優しく取る。

どさり、と紙袋が落ちた。

「好きや、A」

22.14→←20.それはすぐそこに



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氷菓。(プロフ) - 紅月さん» ありがとうございます!コネシマさんは好きな女性にはわりと心あると思っておりますので…! (2018年4月8日 12時) (レス) id: b88cedb558 (このIDを非表示/違反報告)
紅月 - とっても好みな小説でした!相手のことを思ってるコネシマが好きです( ˙-˙ ) (2018年4月8日 10時) (レス) id: b978a7b95f (このIDを非表示/違反報告)
拳で抵抗する桐生(プロフ) - あぁ^〜コネシマ好きぃ^〜 (2018年1月17日 9時) (レス) id: 730bab422c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:氷菓。 | 作成日時:2017年12月29日 13時

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