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「Aちゃん、家どっちなん?」
「あ、北です。」
「北ってどっちや…??」
「右です。」
「おけ!!」
阿保かいな。
口に出すと多分怒られるので心の中で呟く。
ほんとに暗い道は先輩がいても少し怖くて、1人じゃなくてよかったとか考えてしまう。
「あ、コンビニあるやん!寄ってかへん?」
「あ、はい。行きましょう。」
「いや〜寒なったからなぁ、俺肉まん食べよ!」
そう言って嬉しそうにコンビニに入っていく先輩の後についてコンビニに入る。
「あ"」
「え?…うわ、」
唐突に声を上げ、立ち止まる先輩の背中に顔面をぶつける。
痛い。
「ど、どうかしました…?」
「あれ?シッマやん!お前も寄り道か〜!!」
「おう、シッマ…その子誰?」
知らない男性に声を掛けられる。
制服は一緒なのでおそらく先輩の友人だろう。
「あ、い、いやぁ、この子はちゃうねん、ほら。」
「コネてるわぁ。いやぁ、お前も隅に置けねぇなぁ!!結構可愛いやん!!あ、俺シャオロンって言うんやけど…」
「あ、確か野球部の…。」
「お、知ってんのけ!!いやぁ、俺も有名人やなぁ。」
へらへらと嬉しそうに笑う陽気な人。
なんだか先輩と雰囲気似てる。
「あ、どうも鬱です〜。」
「あ…どうも…。」
この人も知ってる。
女の子取っ替え引っ替えで遊んでる人、らしい。
私のクラスメイトにも被害者がいたとかなんとか。
「ちょ、なんでそんな警戒してるん!?」
「噂出回ってんのやろ。」
「シャオちゃん…。」
げらげらと楽しそうに笑う2人とは正反対に先輩は冷や汗をかいていた。
「先輩…?」
「お、おう!!ちょっと待ってな!!すぐ買ってくるから!!!!」
小声で話し掛ければ焦った様子の先輩が無理やり笑みを貼り付けてレジへと向かった。
「あ…。」
私とシャオロンさんと鬱さんが取り残された。
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氷菓。(プロフ) - 紅月さん» ありがとうございます!コネシマさんは好きな女性にはわりと心あると思っておりますので…! (2018年4月8日 12時) (レス) id: b88cedb558 (このIDを非表示/違反報告)
紅月 - とっても好みな小説でした!相手のことを思ってるコネシマが好きです( ˙-˙ ) (2018年4月8日 10時) (レス) id: b978a7b95f (このIDを非表示/違反報告)
拳で抵抗する桐生(プロフ) - あぁ^〜コネシマ好きぃ^〜 (2018年1月17日 9時) (レス) id: 730bab422c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷菓。 | 作成日時:2017年12月29日 13時