13.縁起の悪い ページ13
「はぁ…」
先輩のジャージを着てないだ制服を畳む。
丁度紙袋を持っていたのでその中に制服をしまう。
少し大きいジャージは仄かに先輩の香りがした。
優しくて、いい匂い。
「先輩、着替え終わりました。…ありがとう、ございます。」
ドア越しにそう伝えればばん、と扉が開いた。
「おぉ!…少し大きいか、まぁええか!!それでお前もサッカー部の仲間入りやな!!」
「…冗談はやめてください。」
そう言ってジャージのジッパーに手を掛ければ先輩はごめん嘘やから!と慌てる。
「先輩、時間大丈夫なんですか。」
「え?あ"っ…もう下校近いやん…部活サボってもうたわ…。」
しゅん、と見るからに落ち込む先輩。
え、なんか申し訳ない。
「ご、ごめんなさい…」
「いや、俺が勝手にしたことやから気にせんでえぇよ!」
「で、でもこんな暗くなるまで居てくれて…。」
そう言って初めて日が暮れているのに気が付いた。
短くなったなぁ。まだ5時くらいなのに。
「あ、もうこんな暗いん!?Aちゃん一人で帰んの良くないやろ、送ってくわ!」
「え、そんな悪いです、大丈夫です…。」
「えぇからえぇから!な、いこ!!」
そう言って先輩は私の鞄をつかむと私に無理やり持たせ、自分の鞄と私の手を掴んで鼻唄を歌いながら教室を出て行く。
「わ、」
当然手を掴まれた私も一緒に歩みを進めることとなる。
…なんだか勝てないなぁ。
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新年明けましておめでとうございます。
今年も何卒よろしくお願い致します。
(年賀状は脅威さんにしました。嬉しいしにそう。)
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氷菓。(プロフ) - 紅月さん» ありがとうございます!コネシマさんは好きな女性にはわりと心あると思っておりますので…! (2018年4月8日 12時) (レス) id: b88cedb558 (このIDを非表示/違反報告)
紅月 - とっても好みな小説でした!相手のことを思ってるコネシマが好きです( ˙-˙ ) (2018年4月8日 10時) (レス) id: b978a7b95f (このIDを非表示/違反報告)
拳で抵抗する桐生(プロフ) - あぁ^〜コネシマ好きぃ^〜 (2018年1月17日 9時) (レス) id: 730bab422c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷菓。 | 作成日時:2017年12月29日 13時