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11.それって優しさ? ページ11

「おわ、大丈夫か!!」

「え、いや…はい、」

ミルクティーを溢した私を見ると先輩は目を見開いて慌ててこっちに来た。
自分のハンカチを取り出すと私の膝の上を軽く叩くようにそれで拭いた。
それをみた副会長はぎょっとするとすぐに溜息を吐いて雑巾で床を拭き始めた。

「えっ、ちょ、ちょっと!」

「んな恥ずかしがっとる場合ちゃうやろ!!足火傷したらどうすんねん!!床とかそんなんより自分の体心配せぇや!!」

「え、いや、そこまで熱くないですし…そこまで心配しなくても…。」

「えぇから!ちょっと靴下まくって火傷してへんか確認して…俺、ちょっと冷たいもん持ってくる!!」

「ちょ、ちょっと…」

バタバタとうるさい足音をたてて勢いよく生徒会室から飛び出して行く先輩。
…なんなんだろう。

「Aちゃん大丈夫〜?」

「あ、ごめんなさい!ありがとうございます、」

私も床を拭こうと立ち上がろうとすると止められる。

「えぇよ、えぇよ、大丈夫。」

「それよりA、自分の事心配した方がいいゾ。スカートびちょびちょやないか。それに火傷しててもしてなくてもあいつがうるさいゾ。」

「…そう、ですね。」

あげた腰をもう一度下ろす。
膝を見ると濡れたスカートが脚に張り付いていた。
ブレザーにも飛沫している。

「あ、そうだ、資料無事ですか」

「大丈夫そうやな。」

「よかった…。」

資料濡らしてたら私どうすればいいか。
不幸中の幸いに安堵する。

「A、水買ってきたで!!これで冷やせ!!」

バタバタと水を持って帰ってきた先輩。
私の膝にそっと水を乗せられる。

「つめたっ、」

「あ、すまん…火傷はしてないみたいやな、よかった…」

ふぅ、と溜息を吐いてにっこりと笑う先輩は冬だっていうのに微かに汗ばんでいて、息も切らしていた。

「…大袈裟なんですよ、本当に。」

なんだか目を合わせたくなかった。

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氷菓。(プロフ) - 紅月さん» ありがとうございます!コネシマさんは好きな女性にはわりと心あると思っておりますので…! (2018年4月8日 12時) (レス) id: b88cedb558 (このIDを非表示/違反報告)
紅月 - とっても好みな小説でした!相手のことを思ってるコネシマが好きです( ˙-˙ ) (2018年4月8日 10時) (レス) id: b978a7b95f (このIDを非表示/違反報告)
拳で抵抗する桐生(プロフ) - あぁ^〜コネシマ好きぃ^〜 (2018年1月17日 9時) (レス) id: 730bab422c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:氷菓。 | 作成日時:2017年12月29日 13時

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