中原家の思春期【中原中也】

お母さん最強説 ページ6

「ただいまー。」



あれから私はお父さんたちと車で帰った。(荷物持ちでスーパーにも寄ったけど)



「あ、お帰りA。」


直哉はリビングでポテチを食べながら寛いでいた。



「あんたねぇ、暇なら入学式くらい来なさいよ。」




「やだよ、それに俺暇じゃないし。これから友達と遊ぶ約束あんの。」



直哉は新しい学校でうまくやっているようだ。
事実上の二葉亭の御曹司だったこともあり、前の学校では遠巻きの存在とされていたみたいだけど今はもう関係ないしね。



「あっそ。いいですねぇ〜小学生はお気楽で。」




「んだよ、その言い方！」





「あんたこそ最近生意気なのよ！」



2人で火花を散らしながら睨み合っていると…
急に体が浮いて直哉と頭がぶつかった。



「〜〜っ！痛っ！！！」




「何すんだよ、父さん！」





「手前らが喧嘩なんかするからだろ、仲良くしろよ。」





「だからって頭はないでしょ？！馬鹿になったらどうすんの！」




「それ以上馬鹿になんかならねぇよ。」





「何ですって、直哉！！」





「そもそも父さんのやり方が乱暴なんだよ！」






「俺の所為かよ！」




3人でギャーギャー騒いでいると…


「何してるの…？」



その声に私たちは背筋を凍らせた。




「お、お母さん…」



私と直哉は声を揃えて言った。




「先に家に入って荷物は取りに来ないしドアは開きっぱなしだし挙げ句の果てには止めに入った中也さんまで喧嘩してるし…」





「ま、待て未怜、これには訳が…」






「言い訳は聞きません！全員そこに座りなさい！」




…なんで入学式のその日に怒られなきゃいけないのよ。
やっぱりお母さんは最強だ。

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