中原家の思春期【中原中也】

鏡花ちゃんのうきうきお悩み相談会 ページ16

「で？何でそんなに悩んでいるの？」



「ちょっと人間関係のことで…」





「気に入らない奴がいるの？なら私が排除する。」




「そ、そういうのじゃないから！」



私は森さんに話したように、鏡花ちゃんにそのまま話した。




「つまり、主犯格の女が邪魔？」




「だから、邪魔とかじゃなくて…」




「よくわからない。Aはどうしたいの？」




「え？」




「今の話を聞く限り、Aは板挟みになっている。ということはどちらかを捨てなきゃ問題からは抜け出せない。」




「でも…私はどっちとも仲良くしたいよ。出来るなら立花さんとみんなが喋れるような状態にしたい。」




「Aは優しい。…私はあまり人間関係の構築は得意じゃない。でも長い間貴方を見てきた。
Aが思うようにやれば物事はいい方向に動き出す…そう思う。」



私が思うように…か。
私はうつむきながら考えていると、



「…ごめん、私はあまり相談には向かないみたい。なんなら与謝野さん達が帰ってきたからもう一度話した方が…」





「…ううん、ありがとう鏡花ちゃん。悩み事を話しただけでもすっきりしたよ。あとは自分の力でどうにかしてみる！」





「そう…無理はしないで。」




「うん！」



私は鏡花ちゃんと「うずまき」の前で別れた。


＿＿＿＿＿＿



「鏡花。」






「与謝野さん、お帰りなさい。」





「あァ、ただいま。そういえば今日Aが来ていたらしいじゃないか。」





「うん、悩み事を相談しに。本当は与謝野さん達に相談したかったみたいだけれど。」





「そうだったのかい、申し訳ないことをしたねぇ。
…妾に相談するなんて、やっぱりAもまだまだ子供だねぇ。」




「…そうでもないと思う。」





「どうしてだい？」





「Aは自分で答えを出すと言った。私達の答えじゃなくて。」




「…そうかい。」






「少し、寂しい。」





「そうだねぇ、Aは妾らの子供同然だからね。」

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