違うんです。中也さん。

お願い19 ページ22

家のドアノブを握ると鍵が開いていた。





…中也、帰ってるのかな？





そう思いながらドアを開けると







中也が玄関の前で仁王立ちをしていた。





『…ただいm』








「何処に行ってたんだこんな時間まで！！！」








『へ？』







「男のところか？！クラブにでも行ってたか？！なんとか言えよ！」





中也が無意識にか知らないけど重力をかけてくる。






肩が折れそうだ。





『なっに…そんなに…』






なんでそんなに怒ってるの？



私のことなんてどうでもいいんじゃないの？






「黙れ！！質問に答えろぉ！」






怖い。





中也が怖い。





『…たいっ…痛いっ！！やめて中也っ！！』





そう大声を出すと中也は我に帰ったようにハッとなった。






「…あっ…わり…」






『…ふっ…うっ…』





初めて中也を怖いと思った。






『…もう…』







「え？」








『もう私…中也の事どう思ったらいいのかわからない。今までちゃんと言えなかったけど…さ…









私たちもう別れよう？』







「……は？」







『多分中也だってそれを望んでたんだろうし、私も今…よくわかんない。中也のことが本当に好きなのか…一度でいいから距離を置きたいの。』







「っ…」








『じゃあ私、もう寝るから。お休み。』









その夜は大規模な襲撃の前日だった。

お願い20→←お願い18

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す