兄妹でした【太宰治】

兄妹20 ページ21

「…やっとお着きかな。ポートマフィアの特使さん。」








「遅れてしまい、申し訳ありません。」






大半私のせいだし。






「…まぁいい。話を始めようか。」




今回はポートマフィアとの取引の話だ。
どうもなかなか取引に応じてくれないようで困っていたところを私が買われた。


私はよく、接待や取引の件で呼ばれる。
自慢のトーク力なのだ。これは首領のお墨付き。



…まぁその分他での失敗が多いから構成員止まりなんだけど。







「はい。…琴吹。」









「はい。」









「今度は女か。天下のポートマフィア様も利益を得るためには手段を選ばないな。」









「なっ！」









「やめろ琴吹。」









「っ…こ、今回の取り引きですが…」









「前から申しているようにうちは受諾する気はない。」









「…何故か…理由をお聞きしてもよろしいですか？」









「うちに利益がないからだ。」






そう言って相手は頭を欠いた。






「…本当にそれだけですか？」









「そうだ。何故疑う余地がある。」









「いえ。私は探るのが性分のようなものなので。」









「ふんっ…話はそれだけか。」









「いえいえ。貴方様の組織に利益がないと言われれば私たちが追う選択はありません。」









「んなっ！」





今度は私ではなく中原さんが驚いていた。




…大丈夫。この作戦はうまく行くから。

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