兄妹でした【太宰治】

兄妹10 ページ11

「じゃあ君が証明してみなよ。」




…何を言ってるんだ？この幹部は。





「…へ？」







「ここにいる人、全員怠けてないんでしょ？1日も。じゃあ怠けてる幹部と何も大差ないはずだよね。私にも勝てるよね。」





そんなの…勝てるはずがない。



そこらの男構成員でも敵わないんだ。
力も体術も優れていない女の私が勝てるはずがない。



…きっとこの人はそのことを見越して言ってるんだ。
なんて意地の悪い…やっぱり嫌いだ。





「…出来ないの？さっきまでの威勢はどこに行ったのかなぁ？」




太宰幹部が私の正面に立つ。

私より頭１つ大きな背丈。




「っ……」






「…ほら出来ないの？やってみなよ。ほらっ！」





どんっ肩を強く押される。






「っ…」




倒れる！






…と思ったが、いくら待っても痛みはこなかった。






「え？」






「やめておけ太宰。」






「織田作…」






赤髪の人が私を体を支えていた。







「女は乱暴に扱うものじゃない。」






「わかってるよそんなこと。」








「最初から見ていたが、女の此奴がお前に敵うはずがないだろう。」







「織田作までお説教するの？やだやだ。」








「そうではないが…」








「まぁいいや。気分悪いから帰る。」





はよ帰ればか。

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