もう戻れない ※注意 ページ12
トントン目線
本当になんとなくだった
書類を片付けてふと時計が目に入ってあぁAに飯やってないわと思い廊下へ出た
いつもならサボっとる奴やストレスが溜まりまくってる奴に頼むのに
なんとなく今日は自分で行った
くず米や野菜の切れ端とかをテキトーに袋詰めした袋を片手に食堂を出ようとすると料理人から食べてくれとサンドイッチを渡され、それを食べながら地下へ降りた
ランタン片手に牢へ近付くと人間特有の悪臭が鼻につく牢へ向かい袋を投げ入れた
地面を這う様な音と袋を開ける音を聞きすぐこの場を離れれば良いのに今日は離れられなかった
なんとなくランタンを近付けて中を覗き込んでしまった
トントン「・・・っ？！」
息が出来ない様な錯覚と金縛りの様な感覚に支配される
だって久々に見たAは本当になんで生きてるのか不思議なくらい悪化していたから
傷口は膿がベトベトにへばりついて真っ青だった打撲痕は真っ黒になりざっくり切られている肩からは止めどなく血が流れ続け鼻血を垂れ流しながら袋を大事そうに抱いていたから
トントン「・・・大丈夫なんか？」
俺はバカか
大丈夫なわけ無いやろ
普通の軍人でもこんな状態になる頃にはどんな情報でもゲロするだろう
殺してくれとうわ言のように続けて殺される瞬間には両手を合わせて感謝しながら死んでいくだろう
そんな状態のAがただゴミの入った袋を大事そうに抱いて中からくず米を１粒取り出し食べていた
俺はこんな事がしたかったのかと今更思う
この子に・・・Aに何をさせたかった？
この年の子供はこんな地獄を知ってるんか？
トントン「とりあえず鼻・・・拭きや」
知ってるわけ無いやろ、こんな生き地獄
牢の隙間に腕を差し込みハンカチを目の前に差し出すがAはボーッと見つめるだけでその場から動かなかった
トントン「俺は・・・中には入れん。せやから自分でここまで取りに来てこのハンカチ使って鼻血拭き？そのままじゃ気持ち悪いやろ」
入れないのは嘘、鍵も持ってるし入ろうと思えばいつでも入れた
でも会わせる顔が無くてハンカチを差し出すだけにした
Aはゴミを食べる以外動かない
トントン「ふっ俺らからこんなもん受け取れんか」
自身の呆れた様なため息を俺が吐くと誰かが地下に降りてきた
ヴェル「あっトントン書記長殿！いらしていたのですね」
敬礼をして、Aの牢へ入ったのはロボロの元部下のヴェルだった
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たぴくん - めっちゃ続き気になります！更新頑張ってください！ (2022年9月17日 21時) (
レス) @page34 id: f184817549 (このIDを非表示/違反報告)
みずき - えっあ重っえあ、こういう作品好きです、応援しとります、更新頑張ってください (2022年9月17日 20時) (レス) @page34 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
冥界の薔薇 - 更新ありがとうございます！とても続きが気になります！更新頑張ってください！ (2022年8月7日 23時) (レス) id: c3c04812a2 (このIDを非表示/違反報告)
冥界の薔薇 - このような話めっちゃ好きです！他の作品も全て読まさせてもらいました！無理はしない範囲でいいので頑張ってください！応援しています！ (2022年8月2日 9時) (レス) id: c3c04812a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春よこーいw | 作成日時：2022年7月6日 3時
